過去ログ - にこ「ニコは百日紅ニコ!」真姫「にこちゃんはローズマリーね」【ラブライブ!】
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31: ◆90wX8LPeMY[saga]
2015/10/17(土) 19:53:56.33 ID:VW92Y64b0
帰宅して、ご飯を作ってこころとここあに食べさせて、こころとここあを寝かしつけて食器を片づけていると、玄関が騒がしくなった。

「お母さんー?」

食器を片づけている最中で、にこは泡だらけの手を冷水で流しながら喜色の声で玄関へと問いかける。

「ああ、ニコちゃーん!」

リビングと廊下を繋ぐ引き戸が軋んだ音を立てながら開いて、こころとここあの『ママ』で、にこの『母親』で、矢澤家唯一の働き手が帰ってきた。

「お母さん、お帰りなさい! ご飯? お風呂?」

「にこちゃんが良いー!」

「もー、にこは皆のものニコ! カバン貸して、持って行くよ」

にこの『お母さん』はにこの『パパ』の再婚相手だった。優しく美人で、真面目さとユーモアを持ち合わせる人だった。

つい最近になってにこが感じた事は、自身の母親とは穂乃果と海未とことりを足して、三で割って良い所を掬い上げた感じの人、という事だった。

ふらふらと居間へと向かっていくお母さんを見つめながら、にこも後をついていく。

にこの『パパ』はもうこの世に居ないし、にこの『ママ』は『パパ』より先に亡くなっていた。今の『お母さん』は、『パパ』の再婚相手だった。

しかしにこが十二歳の時に『お母さん』はこころとここあを産んで、『パパ』はにこが十四歳の時に亡くなった。

『パパ』を最後に、にこにとっての家族はにこの中で消滅してしまい、彼女自身そこに微かな『なにか』を抱えて生きていた。

自身の事を傲慢だと感じながら、強い罪悪感を抱えながら、彼女は生きていた。

それが、真姫を気にするきっかけの一部なのかもしれない。にこは心の片隅な冷静な部分で、そんなことを考えていた。

『パパ』も『ママ』もいて、音楽を作りたい、楽しみたい、という真姫の小さな夢を応援してくれる仲間もいるのに、どうして彼女はあんなにも「辛そう」なのか――にこにはそれが、洗剤が生み出す小さな泡ほども解らなくて、気にしているのかもしれない。

「……よし」

「んん? どうしたのニコちゃん?」

お母さんが眠たげな顔をこっちに向けたから、にこはとびっきりの笑顔でこう言った。

「にっこにっこにー!」


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