過去ログ - 【デレマス】白坂小梅と異界の三魔犬【グラブル・神バハ】 -SS速報VIP

過去ログ - 【デレマス】白坂小梅と異界の三魔犬【グラブル・神バハ】

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1: ◆oZuontUvSM[sage saga]
2015/10/10(土) 23:28:28.99 ID:RbhrtNRw0
ドリチケでシンドリ小梅ちゃん呼び込んだのと、お空の方で小梅ちゃんがピエール相手に無双してるので。
(一応ガチャチケでR小梅ちゃんも出ました)

13日くらいまでには完結予定

SSWiki : ss.vip2ch.com

2:名無しNIPPER[sage]
2015/10/10(土) 23:32:19.47 ID:kGZzopXMO
なぜガチャチケを報告したのか

3: ◆oZuontUvSM[sage saga]
2015/10/10(土) 23:38:07.21 ID:RbhrtNRw0
!CAUTION!

本作にはCygames作品内の下記イベントに抵触する内容が含まれます。
当該イベント復刻までネタバレしたくない方はご注意願います。
(神バハ側は知っていれば楽しめる程度ですが、グラブル側は本当に注意)

4: ◆oZuontUvSM[sage saga]
2015/10/10(土) 23:41:11.91 ID:RbhrtNRw0
ファータ・グランデ空域。その辺境の島にある古ぼけた寺院。
少女達は巨大な金色の仏像と対峙していた。

「ぴんにゃあああ！」
仏像の咆哮と共に、寺院が眩い光と衝撃波に包まれる。

5: ◆oZuontUvSM[sage saga]
2015/10/10(土) 23:41:52.12 ID:RbhrtNRw0
「…スプラッターショーの始まり…」

そんな声と共に、闇の中で一瞬だけ紫の光が輝く。
直後にもう1度。光源は杖だった。
今度はオレンジ色の明るい光が、長方形を描くよう仏像に向けられる。

6: ◆oZuontUvSM[sage saga]
2015/10/10(土) 23:44:16.50 ID:RbhrtNRw0
そこに何者かが加勢した。
2匹の、手袋のような形をした犬-そう形容する他ない何かが、強力な魔力のオーラを纏って突撃してきたのである。
「一気に仕留めるわん！」
「ボロ雑巾にしてやるわん！」
殺人鬼の斬撃を縫うように避けながら、徐々に四方からの攻撃範囲を縮めていく。

7: ◆oZuontUvSM[sage saga]
2015/10/10(土) 23:45:28.31 ID:RbhrtNRw0
「トライアド・ダムネーション！！」
「ミゼラブル・マーダーケース…！」

瞬間、加速度を限界まで高めた2匹の魔犬とシルエットが、仏像に致命的なダメージを刻み込む。
さらにダメ押しとばかりに、仏像が漆黒の柱に飲まれた。

8: ◆oZuontUvSM[sage saga]
2015/10/10(土) 23:47:25.47 ID:RbhrtNRw0
一時の静寂の後、廃墟と化した寺院の瓦礫から声が聞こえた。
「はぁ…はぁ…生きてる、私…」
自らの杖に体重を預けながら、なんとか瓦礫を抜け出したのは白坂小梅その人であった。
さすがに建物ごと吹き飛ぶ衝撃を受けて無傷とはいかず、ネクロマンサーをモチーフとした凝った衣装や、
白く綺麗な肌には少なからず傷が残っていたが、それでも小梅はあの状況から生還していた。

9: ◆oZuontUvSM[sage saga]
2015/10/10(土) 23:52:32.31 ID:RbhrtNRw0
金色の仏像-秘丹弥虚羅多尊像。小型星晶獣の慰霊のために造られた像が意思を持ってしまったもの。
小梅とケルベロスは、揃って身を寄せている騎空団の仲間達と共にこの像を追い、
倒すことで成仏させていたのである。そして、これが最後の1体。
星晶獣「ぴにゃこら太」の異常発生からはじまった戦いは、ここに終結した。

10: ◆oZuontUvSM[sage saga]
2015/10/11(日) 00:01:26.50 ID:eUWfpmyG0
…といっても、実のところ小梅とケルベロスの関係は、本来なら対等であるべきものではない。
小梅が後からこの世界にやってきたという理由もあるが、それ以上に戦いにおける実力が違った。
実際、小梅と違いケルベロスの身体にはあれだけの衝撃を受けたにも関わらず、ダメージらしいダメージはない。
身体を覆うスーツからは素肌が相当に見えていたが、これはただ元から露出度が高いだけである。
この力量差と経緯を超えて同格の友人に近い関係となっていたのは、ひとえにケルベロスが小梅を好いていたからだった。

11: ◆oZuontUvSM[sage saga]
2015/10/12(月) 01:47:44.62 ID:Bi1lJ3Wb0
-白坂小梅は、ファータ・グランデ空域のあるこの世界で生まれた存在ではない。
アイドルとしての仕事で墓場にやってきた際、何かの原因で他の世界から仲間と共にやってきたのである。
そして小梅は深く知らないものの、ケルベロスもまた異なる世界からやってきた身であり、
同じ異邦人である縁から何かと世話を焼くことが多かった。

12: ◆oZuontUvSM[sage saga]
2015/10/12(月) 01:48:47.48 ID:Bi1lJ3Wb0
「…最後かもしれないから…ずっと悩んでたこと、話したいの…」

傷の具合も落ち着き、意を決したように小梅が話し始める。

「どんとこいだわん」

13: ◆oZuontUvSM[sage saga]
2015/10/12(月) 01:49:57.55 ID:Bi1lJ3Wb0
探索用に持ち込んできたカンテラが、小梅の顔をぼんやりと照らす。

「…みんなで一緒に、大きなお仕事をすることになったの…アイドルのお仕事…」

俯きがちになる小梅の前で、ケルベロスの目がわずかながら真剣になった。

14: ◆oZuontUvSM[sage saga]
2015/10/12(月) 01:50:47.65 ID:Bi1lJ3Wb0
「…元の世界に戻りたくないわけじゃない…でも、ずっと不安が消えないの…私、どうしたらいいんだろう…？」

顔を上げて自分と向き合った小梅の目には、限界まで涙が溜まっている。
感情を派手に出さない子だけにそれは静かだったが、抱えていた悩みの大きさを訴えるには十分過ぎた。
そして、そんな小梅の涙にカンテラの光が反射する様を見ながら、ケルベロスは改めて小梅の姿を捉え直していた。

15: ◆oZuontUvSM[sage saga]
2015/10/12(月) 01:51:34.59 ID:Bi1lJ3Wb0
大口を叩いた手前、相談を放り出す気はない。泣いている少女をそのままにする気だってない。
しかしケルベロスの知る前例は、解決策に他人を利用したものだった。
この場には自分しかいない。他人には、頼れない。

「なーるほど。でも、そんなに似合わないかしら？小梅ちゃんなら、お姫様っぽい衣装も合うと思うけど？」

16: ◆oZuontUvSM[sage saga]
2015/10/12(月) 01:52:40.92 ID:Bi1lJ3Wb0
「…そう、かな…」

明らかに鈍い。いつもの元気が見られない声だけで、試みが失敗したことはほぼ理解できていた。
それでも、ケルベロス達は小梅の可愛さや衣装との合わせ方を説き、不安を取り除こうと必死に言葉を並べる。
だが、その度に返ってくるのは気落ちしたままの声なのだ。

17: ◆oZuontUvSM[sage saga]
2015/10/12(月) 02:33:47.11 ID:Bi1lJ3Wb0
(どうしたらいいのかしら…きっかけがあればイケるとは思うんだけど。
かといって、あの騎士様みたいに強引なやり方はアタシじゃ無理だし…)

俯く小梅を前に、ケルベロスは思案を続けていた。
表面上は似合う似合わないの話だが、実際は「前に進みたいけど進めない」という根源的な震えを解消したいのだろう。

18: ◆oZuontUvSM[sage saga]
2015/10/13(火) 04:30:29.29 ID:HnxP+mFP0
「じゃあ気分転換も兼ねて、一度小梅ちゃんが乗りやすい方向にちょっと話変えましょうか」

ケルベロスは軽快な喋り口を取り戻していた。
喉が渇きかけた状態で続けるのは苦しいが、それでも強行する。時間がない。

19: ◆oZuontUvSM[sage saga]
2015/10/13(火) 04:31:09.96 ID:HnxP+mFP0
「案外スケールがちっちゃいわん」
「国どころか都市1つ程度で収まりそうだわん」
「まぁ、イメージはわかるけどねぇ。もっと派手に考えてみて？」

ダメ出し、である。

20: ◆oZuontUvSM[sage saga]
2015/10/13(火) 04:32:35.09 ID:HnxP+mFP0
「小梅ちゃんの想像だと、まだ逃げ場があるのよ。
ま、ずっと問答するのが目的じゃないから、そろそろアタシの話に入るわね」

さすがに小梅がヘコみかけてきたのを見計らい、ケルベロスは自分の知る『世界の終わり』を語り始めた。
聞く側である小梅も、自分の想像するものと違う答えに興味があるのだろう。

21: ◆oZuontUvSM[sage saga]
2015/10/13(火) 04:33:16.99 ID:HnxP+mFP0
「こーら、物騒な話聞いて目を輝かせないの」
「ご、ごめん…」

元々、ゾンビや霊魂を見ては喜ぶ気質の少女であるだけに、小梅のオカルティックな現象への好奇心は人一倍強い。
だからといって、世界の破滅に至る現象に喜んでいてはただの危険人物である。

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