過去ログ - 【デレマス】白坂小梅と異界の三魔犬【グラブル・神バハ】 -SS速報VIP

過去ログ - 【デレマス】白坂小梅と異界の三魔犬【グラブル・神バハ】

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24: ◆oZuontUvSM[sage saga]
2015/10/14(水) 01:34:56.54 ID:t8q/rQu70
答えはすぐに返ってこなかった。小梅が逡巡しているのは明らかだった。
そして、ケルベロスも黙っている。沈黙が続く。

何かを決意したかのように小梅が言葉を紡いだ。

以下略

25: ◆oZuontUvSM[sage saga]
2015/10/14(水) 01:36:01.26 ID:t8q/rQu70
「かっこいいわん」
「サマになってるわん」
「ビンゴ♪よくできました♪」

小梅が顔を上げると、ケルベロスが微笑んでいた。

以下略

26: ◆oZuontUvSM[sage saga]
2015/10/14(水) 01:37:42.63 ID:t8q/rQu70
「なんかゴメン…最後なのに、こんな話で…」
「んー？全然気にしてないわよ。それにアタシじゃないとダメでしょ、この話」

小梅は首を小さく縦に振った。
小梅と共にやってきた2人の仲間の人柄は、ケルベロスから見ても悪くないものだったが、

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27: ◆oZuontUvSM[sage saga]
2015/10/14(水) 01:39:32.10 ID:t8q/rQu70
「…そろそろ、帰ろ…？」

寺院の照明が消し飛んだ今、ランタンの灯りは小梅にとって生命線である。
だが、ケルベロスの返した答えは歯切れが悪かった。

以下略

28: ◆oZuontUvSM[sage saga]
2015/10/14(水) 01:40:23.12 ID:t8q/rQu70
「うん…じゃあ、先に戻ってるね…」

ケルベロスの元を離れ、小梅は帰路へ足を向ける。
だが、そのまま帰りはしなかった。途中で振り返り、丁寧にお辞儀をする。
それは最後の悩みを解決した、ケルベロスへの心からの感謝だった。

以下略

29: ◆oZuontUvSM[sage saga]
2015/10/14(水) 01:41:17.65 ID:t8q/rQu70
小梅が残していった給水ボトルを開け、喉を潤す。
普段から饒舌なケルベロスだが、さすがに無理をしていると気付かれたのだろう。
肝心なところで気が利く小梅の性分に救われたのは初めてではないが、それでも今回は非常に助かった。

まだ、最後の仕事がある。

以下略

30: ◆oZuontUvSM[sage saga]
2015/10/14(水) 01:42:22.12 ID:t8q/rQu70
「三魔犬が死者を見逃すワケないわん」
「きちんと終わりにしてやるわん」
「ダーメ！アレには大事な役目があるんだから」

2匹の魔犬を制止しながら、ケルベロスはおもむろに魔力を練る。

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31: ◆oZuontUvSM[sage saga]
2015/10/14(水) 01:43:29.29 ID:t8q/rQu70
「理由、ね…ほら、ミスタルシアに残してきた後輩がいるじゃない？ミントちゃん。
あの子に似てるのよ。色々とね」

言われて、ココとミミも元の世界の後輩のことを思い出したらしい。反応は悪くなかった。

以下略

32: ◆oZuontUvSM[sage saga]
2015/10/14(水) 01:44:40.60 ID:t8q/rQu70
ケルベロスには、小梅の言う「あの子」の姿も声も実際は感じられていた。
むしろ霊感があるとはいえ普通の少女に過ぎない小梅より、ずっと鮮明に感じていたかもしれない。
なにせ、小梅が最後まで知ることのなかったケルベロスの素性は-死者の魂を管理する世界・冥界の住人。
それも「冥界の三魔犬」の異名を持つ強者である。一介の死者の魂を感じるなどは造作もないことであった。
その事実を小梅に教えなかったのはただの意地悪ではない。

以下略

33: ◆oZuontUvSM[sage saga]
2015/10/14(水) 01:45:25.68 ID:t8q/rQu70
(私達の領分に足突っ込むには早過ぎる…だったら、迷子は早めに帰すのが正解よね？)

冥界の番犬たるケルベロス本来の仕事は、逃げる死者を連行し、迷い込んだ生者を帰すことである。
だからこそ生者が冥界入りした場合、異常なまでに強靭で歪みない精神力がなければ、
まず現世に戻ることはあり得ない事実を誰よりも理解していた。

以下略

34: ◆oZuontUvSM[sage saga]
2015/10/14(水) 01:47:35.69 ID:t8q/rQu70
「さ…てと、これで本当にお別れね」
もの思いに耽りながら作業した割には、綺麗な魔法陣が出来上がっていた。
その紋様は実に美しいが、足元に設置してある上に夜の闇に紛れており、まず視認はできない。
あとは波長を調整して、死者にだけは感知できるよう処理するだけだ。

以下略

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