過去ログ - とある緋弾のソードアート・ライブ その2
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32: ◆3LA52.EM5g[saga]
2015/12/20(日) 22:39:52.33 ID:AUmI4Qju0

 トンファーによる一撃が、敵のみぞおちを殴打する。が、手応えはない。

 更に連打が見込まれる状況であったが、火野ライカは一旦敵の目の前から後退する。直後、敵の振り上げた右腕に何発かの寸鉄が打ち込まれる。

「お見事」
「当然ですの」

 自分の戦妹と似た口調の少女。見た目はまるで違うが何故だか麒麟と同じタイプの人間だと、ライカは確信していた。

「やはりあまり効いていませんわね……」

 黒子の寸鉄は相手を怯ませることには成功したものの、出血すらなかった。ライカのトンファーに関しても大したダメージになってるとは思えない。

「本当に映画とかで出てくるゾンビみたいだな……っと!」

 ゾンビみたいなくせに動きは素早い。寸鉄が打ち込まれた右腕の代わりに左手でナイフを刺突してきたのを見切り、今度は脇にトンファーを叩き込む。人体急所を突いたこれも決定打にはならないだろう。

 とは言っても異常に打たれ強いだけで、それほど脅威があるわけではなかった。身体能力は確かにライカや黒子を遥かに超えるだろう。が、十分に身体能力を活かせてなく振り回されている。武偵や風紀委員として訓練を受けてきたライカや黒子には、ただ中々タフなだけの敵であった。

 問題はそれが群をなして襲ってきた時だ。現に相手方の数は多い。一人一人が鎮圧するのに時間がかかるだけに数の暴力に訴えられては勝ち目がなくなる。

 なので病院前の大通りにて美琴やバードウェイが能力を使ってこちらに向かってくる敵の大掃除をし、取り逃がした少数を彼女達は二人一組で行動し一人一人を各個撃破しているのであった。

 お分かりだと思うが、彼女達はパートナーとして組みたい相手がもちろんいた。しかし美琴は正面玄関にて能力を使用してできるだけ後方の負担を減らし、麒麟は麒麟で後方からの支援役についた為、配置場所が違う状態だ。

 彼女達も今回の騒動の重さを十分承知しているので、そこに文句を言ったりなど見苦しいことはしない。

 だが

(こんな地味なことしかできないですが……この白井黒子、敵を一人でも討ち取ってお姉様に褒めていただきますの!風紀委員としての職務も務められるしまさに一石二鳥!)

(確か麒麟はここでの状況を把握してるはず……なら、かっこいいところを見せてやる!)

 それぞれこの戦闘に妙な思惑があるのは間違いなかった。

 トンファーで脇を殴打された状態から態勢を整え、いかがわしい妄想まで飛躍し始めた黒子に襲いかかってくる黒マント姿の青年。青年には明らかに黒子が隙だらけに見えたのだろう。

 その手に握られたナイフが黒子を切り裂くことはない。

 彼がそれに気づくよりも先に空間移動によって空中に出現した黒子から後頭部への蹴り、こめかみに向けてライカから放たれたトンファーという前後同時攻撃が決まった。

「次!行くぞ!」
「言われずとも分かってますの!」

 少々不純な理由も混じっているが、少女達はその為にこそ闘う。通じるものがあるからかどうか分からないが、彼女達のコンビネーションは抜群であった。



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