過去ログ - 【安価】京太郎「結婚したい女たち」明華「2スレ目です」【コンマ】
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226: ◆AVirxLHzVw[saga]
2015/11/06(金) 01:28:38.69 ID:wp4rhMKt0
番外編



夏が過ぎて、秋がやってくる
秋が過ぎると、次は冬
空気はどんどん冷たくなっていく

まだ日が昇らないうちに目が覚めてしまった。
明日は大学もないし、ゆっくりできる日なのに、なぜこんな日に早く起きてしまったのか不思議で仕方がない
起き上がろうとしたけれど、私の上には彼の腕があってできなかった
気持ちよさそうに眠っている彼を起こしたくなかったから

私より2歳年下の彼
すごく優しい彼
普段は頼りないところもあるけどいざというときにはとても頼りになる彼
料理の上手な彼
きれい好きな彼
とても背が高い彼

そうだ。私がこんなに早くに、暗いうちに起きてしまったのは、嫌な夢を見たから
彼が、私をおいてどこかへ行ってしまう夢を見たから

その夢の内容は、ありえないとわかっていても妙にリアルで
夢だとわかった起きている今でさえ私を不安にさせる

私は彼の胸の中に顔をうずめた
なぜだろう、暖かいのに
暖かいのに、涙が出る
こんなに近くにいるのに、寂しい

寂しい


「……なに泣いてるんですか」


ぼそっと、小さな、優しい彼の声がした
私が顔を上げるよりも早く、彼が私を抱きしめた


「だって……京ちゃんがおらんなる夢みたんじゃけえ……」

「大丈夫です。絶対に、俺はいちごさんのそばから離れませんから」


さっきよりも暖かくなったのは、さっきより近くなったから
小柄な私を、大きな彼が包み込むように抱きしめてくれているから
私は、いつまでこうしていられるのだろうか
彼とのお別れの日も、近いのかもしれない


「だから……泣かないでください」


そう言った彼の声もまた、涙声だった。


「思い出、いっぱいつくろ?」


なんとかしぼりだした言葉を吐いたあと
私は彼の胸の中で再び眠りについた

絶対に忘れられない思い出を、作ろう


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