32: ◆rDGuVmz79Q
2015/10/16(金) 00:56:00.21 ID:aj6T9vrv0
飛び跳ねなきゃいけないからね、祈ってる時間がないのね
その後の試合はオオタニがピンチを作るも、ウチが好リリーフ、セーブを8、9回でみせて後続をシャットアウト。
その一発が決勝点となって、マリーンズが勝った。
P奈緒「よっしゃあ!」
アタシは勢い余ってPさんに抱きついた。Pさんは優しく抱きとめてくれる。
いつもなら恥ずかしいとか思ってできないようなことも、いまならなんでもできそうだ。
メイド服だってきてやらぁ
それくらいアタシの心は熱く、熱く、燃え上がっていた。
アタシだけじゃない、スタンドが、球場が雄叫びをあげて揺れているように見える。
知らない間にアタシは初めて来たマリンフィールドに魅せられ、惹きつけられていたようだ。
Pさんもさっき買った下克上タオルを振り回して狂喜乱舞してる。
そういえばきらりも変な傘もって飛び跳ねたりしてた。ぶっちゃけ事務所の揺れが怖くて止めて欲しかったけど、今なら理解できる。
応援してるチームが勝つの、すげぇ嬉しい!
長いこと千葉にいるのに、今まで知らなかったことを後悔した。
父親がテレビで見ている野球は、アタシにとって邪魔でしかなかったけど、今なら私の目にも違って映るだろうか。
マリーンズファンが誰に言われるでもなく、自然に肩を組み始める。
老若男女、初対面とか関係なく。
アタシもPさんと、そして隣は小さな男の子と。
恥ずかしながら、そのときになって始めてアタシは隣人の存在をキチンと認識した。
…正直Pさんとのデートと、初めての球場でいっぱいいっぱいだったんだ
小さな体には少し大きなユニホーム。
帽子を目深に被ったその顔を、中腰になったアタシは覗き込む。
手を差し出し、微笑むとおずおずと、でもしっかりと握り返してくれた。
マリーンズが本当に好きだから
みんなでこの喜びを 分かち合おう
左右に揺れるライトスタンドは、大海原のように。
右に立つPさんを仰ぎ見る。
ふと目があって、互いに笑顔が溢れた。
左の少年とも目があった、屈託のない笑顔が眩しい。
アタシ達だけじゃない、みんなが笑ってる。
奈緒「みんな、いい顔してるな」
P「そうだな…勝ったから味わえる、いわゆる勝利の美酒は、つまり負けることもあるからこそ美味いんだと」
P「負けが続いて苦しい時も、チームを応援し続けるファンが、戦い続ける選手がいる」
P「喜びだけじゃない。苦しみも、悲しみも、全部みんなで分かち合うんだ」
奈緒「みんなで…分かち合う…」
P「だからこそ、俺たちはただのファンじゃない。みんながみんな、26人目の選手なんだ」
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