過去ログ - 八幡「仕事なら仕方ない」
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4:名無しNIPPER[saga]
2015/10/13(火) 03:13:14.41 ID:BpcSycVC0
「変わってなさそうだな、君は」

 ヘブン状態の俺にストUのリュウの中足の如く差し込まれたのは、呆れを通り越して安心感さえ滲ませた一言だった。

「うるせえ」

 さんざ見といてその感想か、と非難を込めて言い返す。

 いやちょっと待て、変わらないものなんてないというのが俺の持論だったのだが、その俺自身が唯一不変の存在だったとは……灯台下暗しとはこのことか。

 つまり……俺は神だったのか。

「ほら、座れよ。店の人も困っているだろう?」

 ふと隣を見ると、苦笑いを浮かべたボーイ君が申し訳なさそうに目を伏せた。

 そうなると俺はあたふたと席に着くしかない。

 しかし――イケメン二人に挟まれたらその結果俺もイケメンに転生できるべきではなかろうか。少なくともオセロではそうなっている。

 で、席に着いたからには注文をせねばなるまい。だからこそ先延ばしにしていたというのに――やはり葉山許すまじ。

 まあいい。俺もいい大人だ。バーの飲み方であたふたするような歳はもう過ぎた。

 そうね過ぎちゃったのよね……アーアーなにも思い出したくない。

 しかし数多の過ちの上に今の俺は成り立つという物。もう何も怖くない。

 そうして成長した俺は、厳かに宣言する。

「……MAXコーヒーを」

 俺の注文を聞いたボーイは、出会い頭に変質者にマッ缶を投げつけられた小鳩のような顔をした。


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