過去ログ - 八幡「346プロダクションに入社した」
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108:名無しNIPPER[saga]
2015/10/18(日) 23:17:29.67 ID:NHCPGKpZ0
足が動いた。勝手に、ではない。俺の意思に従って進む。バリケードによって塞がれた喫茶店の入り口に向かって。
前川は、突然近づいてきた俺に驚いたのか、抗議の言葉をやめてこちらを見つめている。


「お前さ、どれくらい頑張った?」

「…えっ?」


質問の意図がつかめないのだろう。軽く首を傾げている。


「お前より先にデビューした島村は3年間養成所にいたらしい。周りがデビューする中、ただひたすら自分が輝ける日を信じて頑張ってたってよ。…お前はどれくらい耐えたんだ?」

「に、2か月くらい…」


やっぱりな。こいつはそこまでついてない人間ではない。比較的、切羽詰まってはいない。
ただ、虚像におびえていただけなのだ。自分が落ちぶれてしまうことを恐れている。ならば実像を見せてやればいい。自分よりも不幸な人間がいると安心できるというのは万人共通の。法則なのだ。


「デビューが約束されてるお前なんかよりずっと悪条件の中で、お前よりずっと長い間耐えてたやつがいるんだ。そんな焦る必要はねーだろ」

「…はい?」


今度は意図がつかめないというよりは何を言っているのかわからないといった顔をして、先ほどよりも角度をつけて首を傾げた。
今のでわかりにくかったか?もっと端的に言ってやった方がいいだろうか。


「デビューすることは約束されてんだ。もう少しくらい、待ってみてもいいんじゃねーのか」

「デ、ビュー?なんのこと?」


はあ?
デビューの順番に難癖つけたのはお前じゃねえか。企画はちゃんとあるのに何が不満なんだ。少し言い方が乱暴だが、いい加減頭にきたのでそう言ってやろうと思った刹那、プロデューサーがこちらまでやってきた。


「すみません、前川さん!デビューについては皆さん全員分考えています!」




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