10: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2015/10/14(水) 01:29:31.50 ID:amASMcIC0
だめだ。
だめだめだ。
11: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2015/10/14(水) 01:31:11.93 ID:amASMcIC0
電話、出てくれるかな。
昨日も連絡したのに、やっぱり迷惑かな。
家族で過ごしてるだろうし、普通に迷惑だよね。
12: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2015/10/14(水) 01:34:55.34 ID:amASMcIC0
今日はだめなんじゃなくて、とっくの昔からアタシはだめになっていたんだ。
穂乃香ちゃんと仲良くなって、もしかしたら出会ったときからもうだめになっていたっておかしくない。
でも、電話をかける勇気はない。
13: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2015/10/14(水) 01:36:15.47 ID:amASMcIC0
「忍ちゃん?」
ついに幻聴まで聞こえてきて、そろそろアタシの頭も限界を迎えてるのかなぁ。
ここにいるはずのない穂乃香ちゃんの声が、まるで目の前から聞こえて……
14: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2015/10/14(水) 01:37:39.77 ID:amASMcIC0
痒くなった瞼をこすって視界をクリアにすると、心配そうにのぞき込んでくる穂乃香ちゃんの顔が見えて、アタシの心にかかった分厚い雨雲はさっとどこかへ消えていった。
「あの……」
15: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2015/10/14(水) 01:40:27.83 ID:amASMcIC0
「あ、あれ。おかしいな。嬉しいのに、なんで」
止まらない。
ぬぐってもぬぐっても、すぐにたまる涙。
16: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2015/10/14(水) 01:41:39.67 ID:amASMcIC0
「忍ちゃん!」
今までで一番大きな声が耳に届いた瞬間、アタシの体を何かが包んだ。
柔らかなものが濡れた頬に触れて、ふわりとした優しいにおいが押し付けられた鼻いっぱいに広がった。
17: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2015/10/14(水) 01:42:14.28 ID:amASMcIC0
「わ、私もこういうことするのは初めてなので、よくわからないままやったんですけど……やる側が落ち着きませんね。心臓が口から出てしまいそうです……」
耳をすまさなくても聞こえてくる穂乃香ちゃんのリズムはすごい速くて、耳にしてるアタシがドキドキしちゃうくらいオーバーに動いていた。
それどころじゃなくなって自分じゃよくわからないけど、きっとアタシも同じくらい胸が鳴ってる。
18: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2015/10/14(水) 01:47:00.93 ID:amASMcIC0
「……ねぇ、穂乃香ちゃん」
「何ですか?」
19: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2015/10/14(水) 01:48:02.75 ID:amASMcIC0
奇跡って起こらないから奇跡、なんて言うけど、起こらないんならそんな名前はつかないんじゃないかな。
逢いたいって願ってたら、本当に逢えたんだから。
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