3: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2015/10/14(水) 01:18:48.66 ID:amASMcIC0
気付けば夏はとっくに過ぎていて、暑さの残りどころか季節をひとつすっ飛ばしていきなり冬になっちゃったんじゃないかって思うくらいの寒さ。
生まれも育ちも毎年雪景色が見られるところで寒さに強いって自負があったんだけど、十分に冷えた風がアタシを襲ってきて、つい、さむっ、と声を出してしまった。
ここは1時間に1本しかバスが来ないような田舎じゃなくて、朝でも夜でも絶えず人と車が行き来する大都会。
アタシの一言なんてアリよりも小さなことなんだけど、恥ずかしさのせいか、木枯らしのせいか、体温が少し上がったみたい。
目深にかぶった帽子をあげて空を見ると、太陽は少し傾いた位置からアタシを見下ろしていた。
気を抜いたらあっという間に夕焼けになって、感傷に浸る間もなく夜へとスライドしていくんだ。
どこかで区切られているわけじゃないのに、向こうで見る空と東京の空はまったく違うものに映る。
それが森の木々のように生い茂った高層ビルのせいか、絶え間なく動き続ける人たちのせいなのかはわからない。
理由は考えれば考えるほど浮かんできて、少なくともアタシの育った場所じゃ当てはまらないものばっかり。
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