過去ログ - 提督「ひるよる鎮守府?」【安価、コンマ】
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60:名無しNIPPER[sage]
2015/11/30(月) 22:38:21.42 ID:lqa8TMNGo

 鎮守府最高の技量の証として、艦娘たちに勲章を与える――上層部からの通達が届いたのはいつのことだっただろうか?
届いたときには、どのようなものになるかは想像もつかなかったけれども、きっと艦娘の献身と名誉を称えるものになると、信じきっていた。

 「提督、どんなものになるんだろうね?」

 彼女は秘書艦を務めてくれている時雨、実務能力の高さと初期からいることによる戦闘力の高さを買って秘書艦を任せている。

 欲しいか、と聞くとううん、あんまり欲しいとは思わないよ。表面から見てもあまり欲しそうには思えない。

 「僕は、提督の傍にいられれば、それで」
 
 黒い髪の毛が犬耳のようにピンと跳ねた彼女は、自分の感情を抑え込んでしまう傾向がある。姉妹がいれば姉妹に譲り、
仲間がいれば仲間に譲る。構って欲しいときさえも、自分からはあまり言い出さない。そんな彼女もけれども構ったときには、
心の底から嬉しそうな顔、安心感に包まれているような顔を見せてくれる。彼女の弛んだ顔を見ると、此方もとっても心が安らぐのだ。

 今日の彼女は幾分か積極的なようであった。言い終わった彼女は顔を紅潮させて俯き、主張しすぎちゃったかな、と漏らすと、
此方をチラリと見上げてはまた俯く。加護欲を掻き立てる彼女の様子に、右手で軽く彼女の頭をポンポン、と叩いてやる。
弾力ある犬耳のような髪の毛が手を押し返し、指の間からはぴょこんと出た髪の毛が覗いた。

 「わわ、もう、子ども扱いして……、でも、ありがとう」

 頭を撫でる手を彼女は取って、両手で首の前に持ってきて吐息を漏らした。彼女の安心している様子に癒されているこの感情は、
軍人としてあるまじきことだろうが、どうやら娘を持った父親のような感情を抱いてしまっているらしい。
もし、戦争が終わったら、彼女たちの面倒を見て行ける職業に就きたいな。心の底から、そう思った。



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