過去ログ - 【アニマス×デレアニ】「夢の頂上決戦!765プロvs346プロvs961プロ」
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その九『笑顔』
[saga]
2015/11/30(月) 01:07:29.22 ID:4sEi1UXpo
やよい「はいっ、もやし炒め!」
やよい「じゃあ、冷めないうちに! いただきまーす!」
桃子「いただきます。……これ、おいしくない」
やよい「はわっ! もしかして何かまちがえ……」
桃子「あははっ。嘘だよ、おいしいよ。あまりにもやよいさんが自信満々だったから」
やよい「もー! 桃子ったら!」
ぷんすかと怒るやよいだが、騙した側である桃子の方はどこかきょとんとしている。
呼ばれたイントネーションを不思議がっている様だった。
桃子「いま……”桃子”、って」
やよい「えへへ〜。だって、わたしの方が、お姉さんだもん!」
桃子「そっか……うん、そうだよね」
やよいの屈託の無い笑顔。
それを見た桃子は、ほわりと、なにか暖かいものを感じた。
小さな彼女の胸の奥にある、巨大な氷。
――それは、長い芸能生活と家庭生活の摩擦によって生まれた、固く大きな殻のような氷。
その氷塊が、ほんの少しではあるが――じわりと溶けた。
雪歩「そういえば桃子ちゃん、ホットケーキ好きなの?」
桃子「……そうだけど、なんで……」
『知ってるの?』という疑問符を頭の上に浮かべる桃子。
それも当然。そんなことは一言も言っていないからだ。
雪歩「さっきスーパーに寄った時。桃子ちゃん、そのコーナーをじっと見てたから」
桃子「えっ、そんなこと……」
思い返せば……あるかもしれない。
空腹だったのを勘定に入れても、桃子は『気が抜けていた』と思った。
今日初めて会ったばかりなのだが、なぜかもう何年も一緒に居た友人や家族のような感覚。
それも、雪歩とやよいの人徳の為せる技なのだろう。
やよい「ホットケーキなら、うちにホットプレートがあるから、今度やりましょー!」
桃子「ふふん、桃子、ホットケーキ焼くの上手なんだよ」
やよい「わたしもじょうずだよ! プロデューサーに、『やよいはホットプレートの魔術師だな』ってよく言われてたんだから!」
『”まじゅつし”、ってなんなのかわかりませんけど』と付け加えるやよい。
桃子「じゃあ、勝負だよ、やよいさん!」
やよい「うん、また今度ね!」
雪歩「私はその時に、甘いものに合うお茶をもってくるね」
『また今度』という約束。
きっと、雪歩の淹れる暖かいお茶や、やよいのホットプレートの熱で。
桃子の心を覆う氷はまたいくらか溶けることだろう。
”嘘”――”演技”――で塗り固められた彼女の人生が、動き出そうとしていた。
――――――
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