過去ログ - その男、ハチマン
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39:名無しNIPPER[saga]
2015/10/23(金) 23:48:12.46 ID:pm+KydJX0
陽乃「でもそのおかげで、誰にでも通用する外面を手に入れることができたの。そして、これこそ私の、最大の取り柄だった」

八幡「……」

陽乃「これを使えば、誰にでも好かれた。嫌われることもなく、恨まれることもない。常にクラスの人気者よ」

八幡「……」

陽乃「けどその取り柄を、昨日の君の一言で、逆に仇と思えるようになってしまった」

八幡「……」

陽乃「私の本心は元々、人と接するのには向いてない、性悪なものなの。だから比企谷くんの言った通り、それを外面で隠し続けてきた」

八幡「……」

陽乃「でも、その性悪な本心こそ、私だった。それだけは失いたくなかった。なぜかわかる?」

八幡「……いえ」

陽乃「それがなければ、私は雪ノ下家の、お母さんやお父さんの、道具にしかならないからよ。社交のために使われるだけの、ただの道具」

八幡「……」

陽乃「私の外面は、その本心を隠すためのものだったけど、守るためのものでもあったの」

八幡「……」

陽乃「けどあの時……比企谷くんに『いつもと変わらない』と言われた時、実感した。この外面のせいで、本心を見失いかけてるって」

八幡「……」

陽乃「私の外面は、強力すぎた。隠し続けた卑小な本心が、だんだんそれに飲み込まれていくのも、予想ができたわ」

八幡「……」

陽乃「だから私は今日、雪乃ちゃんにちょっかい出すことで、本心を取り戻そうとしたのよ」

八幡「……」

陽乃「これが今回の真実。ほぼ比企谷くんの言った通りだね」

八幡「そう……ですね」

陽乃「はぁ〜あ、まさか君に全部バラされるなんて。参ったな〜」

八幡「……」

陽乃「もうなんか、どうでもよくなってきた……」ボソ



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