過去ログ - 二階堂千鶴の誕生日【ミリマス】 -SS速報VIP

過去ログ - 二階堂千鶴の誕生日【ミリマス】

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1:名無しNIPPER[sage]
2015/10/24(土) 01:03:38.10 ID:21jSJr9Ho

　今日は二階堂千鶴の誕生日だ。事務所に残っている者はその準備に大忙し。
　育や桃子といった小さな子たちは飾り付けを。
　美奈子やあずささんといった料理のできる組はパーティー用の食事を作っている。
　春香なんかは買ってくる予定の市販の物だけでなく自分たちでもケーキを作るようで先ほど可憐他数名を連れていった。

「プロデューサー！！　オレンジのペンがインク切れです！！」

「あーはいはい、今行くよ」

　ロコに呼ばれご注文通りのオレンジのペンを持っていく。
　ロコは現在いつの間にか恒例となったホワイトボードの絵を仕上げているところだ。

　いつも以上に気合の入ったロコは下書きの紙と見比べながら千鶴の姿を描きこんでいく。

「こりゃ凄いな」

　ロコの才能は知っているがまったく器用なものだ。
　それに俺はこの絵のほかにも千鶴のために作ったであろうプレゼントの山を必死に隠していたところを見ている。

　ロコもずいぶんとこの場所に馴染んだ。最初はどこか孤独を抱えていたロコだったが、今じゃ常に誰かが傍にいる。
　その中でも一緒にいることの多い千鶴にロコも感謝しているんだろう。

　普段は子猫の喧嘩のようなじゃれあいばかりで表には出さないが。

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2:名無しNIPPER[sage]
2015/10/24(土) 01:05:05.63 ID:21jSJr9Ho

「なにサボってんのよ。あんたも暇なら飾り付けぐらい手伝ったら？」

　後ろから声をかけてきたのは飾り付けのリーダーとなっている伊織だった。
　その手には綺麗なオレンジの花で彩られた花瓶。

3:名無しNIPPER[sage]
2015/10/24(土) 01:06:21.32 ID:21jSJr9Ho

「それでプロデューサーさんはどうしてこちらに？」

「ん？　ああ、伊織にこっちを手伝いなさいって怒られちゃってな」

4:名無しNIPPER[sage]
2015/10/24(土) 01:09:24.70 ID:21jSJr9Ho

　しばらく飾り付けを手伝ったころ、雪歩とひなたがお盆を持ってやってきた

「皆ーあっ、プロデューサーさん。お茶を持ってきましたー」

5:名無しNIPPER[sage]
2015/10/24(土) 01:10:19.29 ID:21jSJr9Ho

「ひなた、首のところに何か付いてるぞ」

「えっ本当かい？　ううんと……」

6:名無しNIPPER[sage]
2015/10/24(土) 01:11:26.86 ID:21jSJr9Ho

「ねぇプロデューサー。今からおにぎり運ぶから手伝ってほしいの」

　いつの間にか後ろに美希がいた。とりあえずお茶を飲んでしまおうと一気に飲む。
　ちょっと、いやかなり熱い。

7:名無しNIPPER[sage]
2015/10/24(土) 01:13:17.97 ID:21jSJr9Ho

「あっまずいの。どうしたのでこちゃん？」

「どうしたの？　じゃないわよ！　あとでこちゃんって呼ぶな！　
　なんでこんなおにぎりがあるのよ！　予定にないでしょ！　さっき言いに来たときに前もって言いなさいよ！」

8:名無しNIPPER[sage]
2015/10/24(土) 01:14:30.89 ID:21jSJr9Ho

「ありがとうプロデューサー！　行ってくるの！　はいでこちゃん！」

「ちょっ！　もうちょっとゆっくり渡しなさいよ！　まったく……」

9:名無しNIPPER[sage]
2015/10/24(土) 01:16:17.46 ID:21jSJr9Ho

「で、できましたー！！　まさにパーフェクトです！！」

　次はどうしようかと動こうとしたとき、事務所中に聞こえる声で叫んだのはホワイトボード前で万歳をしているロコだった。
　皆がぞろぞろとホワイトボード前に集まる。

10:名無しNIPPER[sage]
2015/10/24(土) 01:17:33.02 ID:21jSJr9Ho

「ちょちょっ！　なにするんですか！」

「千鶴を喜ばせるために描いたんだろう？」

11:名無しNIPPER[sage]
2015/10/24(土) 01:19:08.28 ID:21jSJr9Ho

「じゃあ何も用意していないんですか！？」

「いや……うーんまぁ、そうなるのかなぁ」

12:名無しNIPPER[sage]
2015/10/24(土) 01:21:31.10 ID:21jSJr9Ho

　いよいよ千鶴が戻ってくる時間が迫ってきた。
　急いで準備を進めて無事に予定通りに終わることができた。
　今は千鶴が来るのをクラッカーを持ちながら待機している。

13:名無しNIPPER[sage]
2015/10/24(土) 01:22:22.81 ID:21jSJr9Ho

「プロデューサー、実に似合っています」

「あとは千鶴さんだけですね！　瑞希さん！」

14:名無しNIPPER[sage]
2015/10/24(土) 01:24:47.34 ID:21jSJr9Ho

「「お誕生日、おめでとうー！」」

　驚き、それから涙を浮かべ、それを堪えてとびきりの笑顔になる。

15:名無しNIPPER[sage]
2015/10/24(土) 01:26:16.20 ID:21jSJr9Ho

「千鶴さん、私からはこれです。千鶴さんの好きそうな茶葉を選んでみました！」

「あたしは紅茶のほうよ。紅茶の勉強したいって言ってたでしょ？
　色々メジャーなのとか、あたしの好きなやつを選んでおいたわ」

16:名無しNIPPER[sage]
2015/10/24(土) 01:27:42.01 ID:21jSJr9Ho

「あら？　ケーキが三つもありますわ。それにこのおにぎりは……」

「一つは市販の。もう一つのでっかいのは皆の。小さめのはひなたが作ったやつだ」

17:名無しNIPPER[sage]
2015/10/24(土) 01:29:01.74 ID:21jSJr9Ho

「千鶴さん、帽子をどうぞ」

「どうぞです！」

18:名無しNIPPER[sage]
2015/10/24(土) 01:29:51.48 ID:21jSJr9Ho

　それからも千鶴の周りには絶えず人が集まり大盛り上がりだった。
　千鶴のそばには本当に人が集まる。それは千鶴の人徳のなせる業だろう。
　いつも誰かの世話を焼き、自分のことも手を抜かない。その優しさと真面目さは簡単なものではない。

19:名無しNIPPER[sage]
2015/10/24(土) 01:30:50.64 ID:21jSJr9Ho

「プロデューサーはなにをしていますの？」

「千鶴か。ちょっとな、皆を見てた」

20:名無しNIPPER[sage]
2015/10/24(土) 01:31:33.63 ID:21jSJr9Ho

「千鶴」

「なんですの？」

21:名無しNIPPER[sage]
2015/10/24(土) 01:32:39.24 ID:21jSJr9Ho

「プロデューサー、千鶴、そんなところでなに話してるのよ」

「戻るか」

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