過去ログ - 「今どき魔王退治もないもんだ」【安価あり】
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21:名無しNIPPER[saga]
2015/11/05(木) 04:02:42.81 ID:FVJrEmYt0
(従者Eが鉄格子の鍵を探し出した。錠を開けさせる)

「そこで、お前の出番というわけだ」

勇者「……僕の、『勇者』という看板を使う、ってことかな」

「無論、そうだ。『勇者』の威光を前に、平伏さない者はいない――」

(勇者に振り向く。背後から物音(引き摺った音……土を蹴った?)――衝撃。首に枯れ枝のような腕が食い込む)

女の声「『勇者』? 『勇者』、『勇者』……私達を地獄に落とした、死神の名前! お前のせいで、私達は……!」

(身構える勇者と騎士。視界の端で従者Eが構えた。小さく右手を挙げて制する)

女=虜囚エルフ「お前のせいで何人が死んだと思っている! 私の家族は皆、人間に殺された! 里を焼かれ、森を失い、命も、尊厳も奪われて、――私達が何をしたっていうの!? ただ平和に暮らしていただけなのに!」

勇者「……そんなことをしても、何にもならない。君が恨んでいるのは僕なんだろう? なら、彼を離してあげてくれないか」

騎士「勇者様!?」

勇者「君たち異族を殺したのは、間違いなく『勇者』だ。君には復讐の権利がある。けれど、彼には関係がない。勇者は、僕なんだから」

騎士「……ッ、いけません、それぐらいなら、私がその男ごと――」

勇者「(…)! いけない、やめるんだ!」

虜囚エルフ「殺してやる……お前だけは、絶対に……!」


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