108:名無しNIPPER[saga]
2015/10/24(土) 21:59:37.90 ID:wlnW7ggg0
律子も、不透明な会計処理と、何よりアイツがインスタントを飲んでいたという裏切り。
その怒りと、アイツの根底にある気持ちも知って、感情が整理できなくなって――。
ふざけるなー!! って叫びながら、錯乱して上等なコーヒーを床にぶちまける律子。
それを怒りながら制止する私。
皆はその意味不明な争いを見て、馬鹿みたいに笑っていたように記憶しているわ。
だから言ったでしょ、くだらない話にしかならないって。
まぁ、そのふざけた一件のおかげか、今では私達、一応それなりに上手くやってるわよ。
あんな人間になろうとしていた自分が恥ずかしい、って律子は何度もボヤいているわ。
ただね? ――律子は今も、このコーヒーを飲んでいるのよ。
アイツが苦手だったコーヒーを好きになって、裏切ったアイツを見返してやるんだって。
だから、今では事務所のストックはほとんど律子専用ってこと。
お笑い種よね。
アイツは大して絶望なんてしていなかった上、死んでもなお私達を振り回したんだから。
何、新堂? ――あら、もうこんな時間なのね。
シャルル、こっちにいらっしゃい。
新堂、車の用意を。
もし事務所に行く御用がおありなら、律子に言伝をお願いできますこと?
コーヒーを飲む時の眉をしかめる癖、まだ直ってないわよ、とね。
いつでも水瀬家にお越しあそばせ。
楽しい時間を共にお過ごしできた善澤様の、御機嫌麗しゅうことをお祈りしますわ。
またのお越しを。
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