116:名無しNIPPER[saga]
2015/10/24(土) 22:38:03.69 ID:wlnW7ggg0
――いいえ、プロデューサーに諭されたという訳ではないようです。
むしろ、その逆ですね。
あの人のことを、アッと言わせてやる、見返してやる――。
そう、半ば喧嘩腰な形で、あの子はある意味、本気で仕事をするようになりました。
元々実力はある子ですから、結果が付いてこないはずはありません。
竜宮小町をも凌ぐほど、グイグイ頭角を現して――。
仕舞いには、シャイニングアイドル賞新人部門を受賞するまでに至りました。
プロデューサーからのご褒美は、綺麗な黄緑色のペリドットをあしらったネックレス。
私の見立てでは、そう安い物ではなさそうでしたし、他の皆も羨ましがっていました。
ですが――あの子は受賞したことも、彼のご褒美にも、喜ぶことは無かったんです。
あの子が求めていたものは、プロデューサーの心からの感嘆と称賛の言葉――。
事務的なご褒美は、既に想定された彼の仕事の一つ、という風にも見えたのでしょう。
――すみません。何か、美希の話ばかりになってしまいましたね。
正直言って、美希に共感できる部分は大いにあるんです。
あの人は、あまりにも表裏が無さ過ぎました。
常に不満を探す私と違い、良く言えば何事にも誠実に、悪く言えば、機械的でした。
品行方正過ぎて、この人に感情はあるのかと――何を目指しているんだろうと。
だから、あの人が亡くなって――私自身、苦しんだ時期もありました。
何だかんだで、あの人はこの765プロの中心人物であり、精神的支柱でしたから――。
私が、あの人の代わりとなって、皆を支えていかなきゃ、と。
でも、近くにいながら、どうしても私には、あの人の考えが見出せなくて――。
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