117:名無しNIPPER[saga]
2015/10/24(土) 22:41:14.02 ID:wlnW7ggg0
――もう。伊織ったら、余計なことを。
伊織の言う通り、私が泣いたのは、悲しかったからではありません。
あの人を理解できなかった――代わりになれない自分が情けなくて、悔しかったんです。
今にしてみれば、自分よがりだなぁって、思います。
ようやく吹っ切れたのは、割と最近のことですね。
彼は彼、私は私。
誰も彼の代わりになる人などいないし、私の代わりだっていない。
彼の穴を埋めるのではなく、私がむしろ、もっとでかい穴を掘ってやろうってね。
そこに、絵が飾ってあるでしょう?
えぇ、一応それ、絵のつもりなんですよ。
――そうです。
タイトルはありませんが、プロデューサーをテーマに描いた作品です。
テーマを提案した張本人が誰かも、ご存知なんですか?
きっと美希も、納得していなかったんでしょうね。
あの人の心を、最期まで掴むことができなかった――。
だから、私と同じで、あの人が何者だったのかを、皆と探りたかったんだと思います。
降ろしましょうか、その絵。
よいしょ、っと――。
あぁ、大丈夫です。お掛けになっててください。
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