135:名無しNIPPER[saga]
2015/10/24(土) 23:50:22.94 ID:wlnW7ggg0
【11】
春香は、もうじき来ると思います。
それまでの間、私から、この絵について少し、お話しても良いでしょうか?
少し、プロデューサーの話からは逸れるのですけれど――。
以前、私が週刊誌の影響で、声が出せなくなった時――。
とても親身になって、助けてくれたのが、春香でした。
弟の、優のスケッチブックを持って来てくれて――だから、自分を取り戻せたんです。
プロデューサーが亡くなってから、美希が律子や水瀬さんの尽力で復帰して――。
次は春香を、助けるのは私の番だと、そう思っていた時――。
目に留まったのが――この、スケッチブックだったんです。
私自身、絵心があるわけではないんです。
でも、このスケッチブックは、私と優の思い出というだけのものでは、既にありません。
もう一度、春香だけでなく、私や皆を、救ってくれないかしら――そう思ったんです。
今にしてみれば、短絡的な考えだと思います。
春香や皆にとって、このスケッチブックがそこまで大切なものなのか、分からないのに。
それでも、皆は私の提案を、受け入れてくれました。
美希も、プロデューサーの絵を描きたいと。だから――翌日、クレパスを買ったんです。
少し、変わった色の――四条さんの言葉を借りるなら、面妖なクレパス、でしょうか。
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