過去ログ - 千早「12色のクレパス」
1- 20
145:名無しNIPPER[saga]
2015/10/25(日) 00:36:07.15 ID:WfReZCwA0
 突如、順番を無視してキャンバスを奪い、亜美と真美が乱暴に描き殴ります。
 こんなお茶はー、亜美達が修正してやる→! うりゃうりゃ→!

 何するの、止めなさい! と、律子が慌てて奪い取り、緑の葉っぱを描き直しました。
 フツーのモノ描いても、つまんなくない? と、美希は律子の横から手を伸ばします。
 憤慨する律子を後目に、美希は楽しそうに黄緑の光線を重ね、四条さんに渡しました。

 四条さんは、さらにその上に臙脂を重ね、あらゆる箇所に臙脂の線を入れました。
 芸術は爆発なのです、と、四条さんは鼻息を荒くして、感性のままにペンを走らせます。

 色合いとかコレ、すっごく変になっちゃったじゃないかー! 雪歩ー、助けてくれー!
 我那覇さんは、萩原さんと一緒に、コントラストが強い箇所を必死で修正していきます。
 うっうー、ホワホワな色も追加ですー! と、高槻さんがオレンジで加勢しました。
 あら〜、何だか賑やかな絵になってきたわね〜、とあずささんはどこまでも暢気です。

 やよい、貸しなさい! このままじゃテーマ性の無いグダグダな絵になるわ!
 と、水瀬さんは高槻さんから受け取ると、自身を表すピンクの人間を描きだしました。

 それじゃあ、ボクが輪郭を! そう言って、真は黒でピンクの人型を切り裂きました。
 あぁっ、手が滑った! と言ったものの、当然水瀬さんは大激怒です。
 どうしたらそんな手の滑り方するのよ! と、水瀬さんはピンク人間を描き足します。
 本当に滑ったんだよ、ていうか自己主張しすぎだろ伊織!
 私のクレパスで私がどうしようと、私の勝手じゃない!
 何だよっ!!
 何よっ!!



 兄ちゃん――――。


 あれだけ大笑いしていた亜美達が、ふと手を止め、急に泣きだしました。

 私達は、亜美達の意図が分からないまま――目の前のキャンバスを、見つめ直しました。



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
177Res/216.09 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice