21:名無しNIPPER[saga]
2015/10/24(土) 15:07:19.49 ID:wlnW7ggg0
そのマフラー、プロデューサーへのプレゼント用にこっそり編んでたものだったんです。
ちょっと休憩して、ふとそれを持ちながら給湯室に行こうとしてたみたいで――。
そこを、ボクが後ろから突き飛ばして、事務所の備品に引っかかって――。
響にケガは無かったんですけど、マフラーは台無しになってしまいました。
響は涙声で、ボクのことを、ものすごい剣幕で怒りました。
響は、自分のために怒ることは無いけど、人のためになら本気で怒るんです。
とても優しいから。
もちろんボクは、響を困らせるつもりも、ましてマフラーを破るつもりも無かった!
でも、でもっ――本当にボク、申し訳無くて――。
なんてボク、いつもこうガサツで、本当にひどいことをしたって、必死に謝りました。
響は、許してくれませんでした――泣きながら、事務所を飛び出しちゃったんです。
ボクは、しばらく途方に暮れて――響の代わりに、それを編むことにしました。
そうするより他に、許してもらえる方法が無い気がして――。
でも、女の子らしいことに縁が無かったボクには、編み物なんて全く分かりません。
学校の家庭科の授業で、お裁縫なら少しは習うけど、とても太刀打ちできなくて――。
一生懸命、携帯のインターネットで、編み物のやり方を検索しました。
事務所のパソコンが空いてる時は、それで調べて、参考になるページを印刷したり。
家に持って帰ってやったら、危うく父さんに怒られそうになりました。
女の子らしいことが御法度でしたから、編み物をするなんて何事かって。
だから――いつも事務所に残って、一人でコッソリと作りました。
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