26:名無しNIPPER[saga]
2015/10/24(土) 15:25:02.68 ID:wlnW7ggg0
最初は、プロデューサーも付き添うと言ってくれましたが、断りました。
事務所の休憩スペースで、本を読んでいる響に声をかけて、屋上へ誘って――。
そこで、ボクと、プロデューサーが編んだ手袋を、響に差し出したんです。
こうすることしか思いつかなくて――。
一生懸命編んだんだけど、ボクじゃあどう頑張ってもこんなのしかできないんだ。
響が大切にしていたものを、壊してしまった――今なら、それが心から分かるよ。
本当にごめん、響。
響は、驚いた様子で、不格好な手袋をマジマジと見つめていました。
これ、どっちも真が一人で編んだものなのか、って聞かれて、そうだよ、って――。
ウソは言いたくなかったけど、プロデューサーを巻き込みたくなかったし――。
ヘタクソだなぁ、って言われて――返す言葉も無くて、ますます視線が下がります。
でもすぐに、顔を上げてよ、って響が言いました。
見ると、響は青空を背に、ニカッ、っていつもの笑顔を見せてくれています。
カッコ悪いけど、特にこっち、すごく丁寧だね、ってボクが編んでた方を掲げました。
自分はもうマフラー編み直しちゃったから、二人でこの手袋の手直しをしようよ。
恥ずかしいくらいコテコテに可愛くして、一緒にプロデューサーにプレゼントしよう。
それで、普段自分に意地悪ばかりする変態プロデューサーを困らせてやるんさー。
響はそう言って、ボクの手を取ってくれました。
自分の方こそ、ビックリしてひどいこといっぱい言って、ごめんね。
完璧な自分が、真に女の子的な可愛さの何たるかを教えてあげるぞ、って――。
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