34:名無しNIPPER[saga]
2015/10/24(土) 15:53:08.39 ID:wlnW7ggg0
――し、失礼だぞ、善澤さん!
自分だって、その、皆からはちょっかい出されて、おバカキャラみたいになってるけど!
たまには一人でマジメに哲学する時だってあるんだからね!
まぁいいや――。
それで、うーん、うーんって悩んでいるうちに、プロデューサーと貴音が来たんだ。
途中までお菓子が売れなくて負けたことが、ショックだったのか?
そう、プロデューサーに聞かれた。
それだけじゃない――自分が作ったお菓子の魅力って何だったんだろう、って。
自分が正体を明かさないと売れないのは、自分の魅力であってお菓子の魅力じゃない。
頭をワシャワシャ掻いてると、貴音が自分のその頭にそっと手を添えてきた。
いい子いい子なんて、子供扱いするなー! って怒ったんだけど――。
貴音はいつものように、すごく穏やかーに笑いながら首を振ったんだ。
ふぁんの方々は、響のことが好きだから、響が作ったお菓子を求めただけのこと。
何も不思議に思うことなどありません。
そう貴音は言った。
違う、そうじゃないんだ!
自分は、自分のことなんて抜きに、お菓子の出来だけで勝負したかった!
でも、お菓子って、自分が考えている以上にずっと奥が深くて――。
本職の人が、本気で作ってくるお菓子に、自分が簡単に作ったのが敵うだなんて!
そうタカを括っていた自分が恥ずかしくて――そう、悔しいのはそこさー!
我那覇響という名前が無きゃ戦えなかったことだけじゃない。
根拠の無い自信で臨んだ馬鹿な自分が悔しかったんだ。
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