過去ログ - 【R18】「粉雪が身体を冷やすから…」【モバマス】
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14: ◆.SNq56nb7mzL[saga]
2015/10/25(日) 17:44:28.97 ID:gPJ/lNL8o



6.

それから、車内は無言だった。

しかし、それは気まずい無言空間ではなく、
ある種、落ち着いた、情事後特有の奇妙な無言空間だった。

「…ここで良い?」

不意に留美が声を発し、彼はゆっくりと車外に目を向けた。

そこは、彼のアパートから程近いコンビニの駐車場で、彼は「あ、はい…」とややぼんやりと返事をして車から降りた。

「……ありがとうございました。あの… 今日の事は…」
「もちろん、誰にも言わないわ。キミも、誰にも言わない。それで良いでしょ?」
「はい… でも… もう、こんなことは…」
「なぁにぃ? また、こんな情況になって欲しいの?」
「違います! こういうことは、これっきりにしてください…」

搾り出した彼の言葉を、しかし、留美は最後まで聞いてくれなかった。

「……また、ね」

短く、しかし、心に刺さる言葉を残し、留美を乗せたダークブルーのコンパクトカーは走り去った。

「………ごめん」

しばらく、呆然と立っていた彼は、不意に罪悪感に苛まれ、地面に蹲った。

そして、「ごめん、ごめん…」と、恋人への謝罪の言葉を、何度も何度も繰り返した…







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