過去ログ - 【R18】「粉雪が身体を冷やすから…」【モバマス】
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◆.SNq56nb7mzL
[saga]
2015/10/26(月) 21:01:07.71 ID:zOjBPPhgo
16.
「え… キスマーク?」
不意のその詰問に、彼は無意識のうちに片手で首筋を押さえてしまった。
その仕草を当然愛梨が見逃すはずは無く、彼女の表情が見る見るうちに悲嘆に歪む。
「やっぱり… 浮気してたんだ……」
「ち、違うよ!」
突然の愁嘆場に彼が慌てて否定する。
「えと… とりあえず、コッチ来て!」
流石に外来者が多い玄関ロビーでする話ではない。
彼は愛梨を引っ張るようにして移動し、いつもの個人レッスン室へと連れ込んだ。
「…キスマークとか、知らないから」
努めて平静を装い、諭すように愛梨に話しかける。
「だって… そのクビの赤い痕…」
「だから、知らないって。虫刺されか何かだろ?」
「今、冬だよ!」
「冬にだって虫ぐらい居るさ。ホントに知らないから!」
語気強い彼の言葉に、愛梨は、ビクッ、と身体を震わせた。
「あ、ゴメン…」
「うぅ… ひっく、ひっく…」
慌てて彼は謝罪をするが、すでに愛梨の両目には涙が溢れ始めていた。
「やだよぉ… 浮気しちゃやだぁ…」
「してないよ… 本当に浮気なんかしてない…」
彼の脳裏に、『浮気じゃないの』という留美の言葉がリフレインする。
しかし、実際に自分の行為は浮気以外の何物でもなく、白々しい嘘を吐かなければならないこの身を彼は呪った。
(ちくしょう… どうにかして宥めないと…)
いっそ、この場で洗いざらい告白してしまい、愛梨に許しを請うのはどうだろうか?
その考えが頭に浮かび、一瞬、そうしようと口を開きかけた、が、
『温もりが欲しいのは… 嘘じゃないのよ……』
なぜか、本当になぜか、昨夜耳元で囁かれた、留美の言葉が頭を過ぎり、彼は言葉を発せなくなってしまった。
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