過去ログ - 【R18】「粉雪が身体を冷やすから…」【モバマス】
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9:名無しNIPPER[saga]
2015/10/25(日) 17:40:49.42 ID:gPJ/lNL8o
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「高校時代の話ですけどね、最近はほとんど会えてませんから」
「ふふ… そうよね、なんてったって、シンデレラガールだもんね」

ようやく笑いを収めた留美が、やんわりと慰めるような口調で言う。

「愛梨ちゃん、すごいと思うわ。天然系って一言で言うのは簡単だけど、彼女からはそれとは別な魅力を感じるわ。
 アイドルとしての天稟なのかもしれないわね」
「彼氏としては、ちょっと複雑ですけどね」

本当に複雑な気分なのだろう。

彼の言葉には、好悪混じった微妙な感情が込められていた。

「…やっぱり、彼女がトップアイドルなのは嫌?」
「彼氏としては、当然、嫌です。愛梨のファンの中には、その… “そういう目”で見てる連中だって多いですし。
 …けど、写真集とか、イメージPVが愛梨のメインでもあるんで」

天然系巨乳キャラである愛梨は、もちろん、エロスを主題に作られた水着写真集やイメージビデオが多い。

実際にその肉体の味を知り独占していた彼としては、そんなものは発売して欲しくも無いが、抗議をしても仕方が無い。

「でも、キミも買ってるんでしょ?」

ニヤリ、と悪戯めいた笑みを浮かべて留美が言う。

どうにも、嫌な流れに会話が進んでいるが、さりとて、黙るわけにもいかない。

「ま、まぁ… 買ってるっていうか、新作が出るたびに愛梨がプレゼントしてくれます。それで、2人で観て…」
「2人で!?」

彼の発言に留美が驚きの声を上げた。

彼は、「しまった…」と失言を後悔したが、後の祭りである。

「愛梨ちゃんと2人で、水着写真集とか、イメージビデオ観てるの!? あのダイナマイトボディを!?」
「いや… さすがに最近は無いですけど、初期のころはけっこう頻繁に、かな…?」

実を言えば、それは2人にとって愛欲を加熱させる“儀式”なのだが、さすがにそれは言えない。

言えない、が、しかし、

「年頃のカップルが2人でイメージビデオ鑑賞かぁ… ふーーーーーん…」

あっさりと看過されてしまった様子だった。

「あの… いえ… まぁ、その……」
「…ねぇ、最近は無いって、どれくらい?」
「えっ? えと… 半年ぐらいですかね…?」
「それじゃ、溜まってるの?」
「ぅえッ!?」

突然発せられた留美の下ネタに、彼の喉が蛙のように鳴った。

「た、溜まってるって…ッ!? えっ!?」
「クスクス… 図星みたいねぇ」

軽く笑った留美が、両手を動かしハンドルを切ると、ダークブルーのコンパクトカーは持ち主の動きに従い、大通りを外れた路地に進入した。

「あの… 近道ですか…?」

見知らぬ道に彼が戸惑って声をかけるが、留美はまるで聞こえないかのように運転に集中し、そして…

「……溜まってるなら、抜いてあげようか?」

人気の無い、住宅地の離合地帯。

僅かなタイヤ音と共に停車すると、ダークブルーの車体は完全に闇に熔けみ、
音も無くハイブリットエンジンが止まると、計器の灯りがゆっくりと消えた……




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