16:名無しNIPPER[sage]
2015/10/27(火) 18:08:13.13 ID:OYbwryB10
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あの時みたいにひと時をおしゃべりをして過ごした。
でも今度は前よりももっと深く、お互いの考えや感じ方を伝えるような話。
今日を振り返る。今日は沢山の事があった。沢山の人に会って、沢山のありがとうを貰って。
皆はとても楽しそうな笑顔で私の事をお祝いしてくれた。
だから私も今日がとても楽しくて、思い出が生きているうちに宝箱に大切にしまった。
こんなに嬉しい事がこれまでも、そしてこれからも何度も訪れる事は無いんだろう。
咲「さ、寝ようか。平日だからあんまり遅くまでは起きていられないから」
衣「う、うん」
吐く息が白く、澄んだ漆色に映える。名残惜しいけど、窓を閉めた。
咲「二人で寝るのはあったかいからいいよね」
衣「うん、あったかい」
言い合って一緒にくるまっていた毛布をかぶり直して横になる。
月の明かりに照らされた女の子は、とても柔らかく幸せそうに笑った。
咲「じゃあ……あ、携帯電話。ちょっとごめんね」
着信があって新品の電話を取る。
咲「メールか。どうやるんだっけ」
まだ覚束ない動きで何とかメールを開く。
そうか、今日はまだ終わっていなかったんだ。
衣「咲……?」
どうだろう、一体今の私はどう見えているだろう。
それにしても、私も単純な性格だったらしい。
咲「ん?うん、大丈夫、一件だけ返信したら寝るよ」
だって、とっても不器用な人からのぶっきらぼうな六文字にここまで心が躍ってしまうんだから。
だから、こっちも同じように返してあげないとね。
ああ、私の過ごしている今はとても素晴らしく、それよりも尊い。
だから、そんな貴重で素敵な一日を彩ってくれた人皆に今日の一日を締めくくる六文字。
咲「ありがとう。」
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