過去ログ - 魔姫「捕まえてごらんなさい、色男」
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47: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2015/10/31(土) 19:16:53.82 ID:Bi9M//EB0
魔姫「ん…」

自分の声で目が覚めた。
見覚えのない天井を見上げ、状況がよく理解できない。

目が冴えると同時に、少しずつ思い出していく――ハンターが襲撃してきて、自分は負けて…。

魔姫「…っ、ここは!?」

周辺を見渡して更に混乱する。
魔姫が目を覚ましたのは大きなベッドの上。窓のない部屋は広く豪華なもので、まるでここは――

王子「ここは城の一室だよ」

魔姫「!?」

魔姫が起きるのを見計らったかのようなタイミングで、王子が部屋に入ってきた。
王子は嬉しそうに、作り物のような美しい顔に、ニコニコ笑いを浮かべている。

何て胡散臭い笑顔――魔姫の抱いた第一印象はこうだ。

王子「自己紹介が遅れました、魔姫様。僕は王子――この国の、第二王子だよ」

魔姫「そんなことはどうだっていいわ。この状況、どういうことかしら?」

魔姫は苛立ちを隠さず、目は笑わず口元だけに笑みを浮かべた。

魔姫「ハンターから聞いたわ、私を捕らえるよう命じたのはアンタなんですってね。私を捕らえて、どうするつもりかしら?」

王子「魔姫様…」スッ

だが王子は魔姫の不快感など意に介していない様子で、魔姫に向かって跪く。

王子「ずっと、お慕いしていたよ…是非、僕の花嫁になってくれないかな」

魔姫「…」ドカッ

魔姫は無言で王子に蹴りを入れた。
が、王子は涼しい顔で、蹴りを片手で止める。

王子「ふふ、流石魔姫様。手が痺れる程のこの威力…そこらの女性の力では、こうはいかないだろうね」

魔姫「気持ち悪いわアンタ」




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