過去ログ - 魔姫「捕まえてごらんなさい、色男」
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65: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2015/11/01(日) 17:18:59.79 ID:WB90AVj00
魔姫「あんた、どうして…」

長い廊下を走りながら、魔姫はハンターに尋ねた。

ハンター「…借りを返しただけだ」

魔姫「あら、どんな借りかしら?」

ハンター「とぼけるな。…魔石のことだよ」

ハンターはそう言って懐からペンダントを取り出した。
魔姫が壊した鎖はそのままになっている。

ハンター「これは使用者の力を上げる代わりに、使用者の生命力と理性を吸い込むそうだな…。賢者が調べてくれた」

魔姫「…そうよ。そんなものを装備するなんて、どうかしてるわよ」

ハンター「王子に渡されたんだ。…お前が鎖を壊さなかったら、俺はどうなっていたことか…」

魔姫「ふん。お節介を焼いたばっかりに、こうして捕まっちゃったわ」

ハンター「だからこうして逃げる協力をしているだろう。これでチャラにしろ」

魔姫「足りないわね〜」

ハンター「そう言うな。俺もかなり自分の立場を悪くしているんだ」

ハンターはさらりと言ったが、確かにそうだ。相手はこの国の王子。その王子に危害を加えたとなると、打ち首ものではないか。
そうなればハンターは逃げるしかなくなり、人間社会での居場所が無くなってしまう…。

魔姫(こいつ、それをわかってて来たの…?)

ハンター「…あそこの階段を上れば、魔封じは解ける」

魔姫「そう」

階段まであと少し――という所だった。


王子「よくもやってくれたねぇ?」

ハンター「!」

魔姫「げっ」




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