過去ログ - 魔姫「捕まえてごらんなさい、色男」
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74: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2015/11/02(月) 19:01:28.94 ID:U0JZS91/0
魔姫「……」

眠ることができない。
休まなければいけないとわかっているのに、ぐちゃぐちゃな感情が頭を支配していた。

魔姫(猫……)

猫耳は生きているだろうか。
感情がぐちゃぐちゃしている時は、いつも猫耳が側にいてくれた。どんなに苦労をかけても、絶対に自分の側からいなくなることはなかった。

魔姫「王子……猫に何かあったら殺すからね…!!」

ハンター「落ち込み方も可愛げがないな」

魔姫「えっ」

隙間だらけの壁の向こうから声がしてから、ドアが開いた。

ハンター「助かったようだな、互いに」

魔姫「あらあんた、命拾いしたの」

ハンター「…悪かったな、生きてて」

ハンターはそう言うと部屋に入ってきて、魔姫の隣に腰を下ろす。

魔姫「ちょっと、勝手に何やってんのよ。デリカシーのない奴ね」

ハンター「何だ。慰めはいらなかったか?」

魔姫「え?」

ハンター「鼻のすする音が俺の部屋まで届いて睡眠どころじゃなかった。…それとも、鼻風邪か?」

魔姫「…っ!」

どれだけボロ家なのだ、ここは。

魔姫「何よ、あんたのせいじゃない! そもそもあんたが私を捕まえに来なければ、今頃…!!」

ハンター「悪かった」

魔姫「っ」

ハンターはあっさりと頭を下げた。




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