過去ログ - 魔姫「捕まえてごらんなさい、色男」
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80: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2015/11/02(月) 19:05:23.06 ID:U0JZS91/0
ドガアアァァン
王城の朝は、不穏な爆発音で始まった。
当直の兵士たちがざわつき始め、城内は騒がしくなる。
兵士「あっ、王子!」
既に正装に着替えていた王子が廊下に出てきた。
あまり眠っていないはずだが、顔色は良い。
兵士「只今、爆発の発生源を探っております!」
王子「…必要ないよ」
兵士「え……?」
王子「フフ…戻ってきてくれたんだ」
王子はそう言うと迷いなく、ベランダに足を進めた。
勢いよくベランダのドアを開けると――いた。
王子「ご機嫌よう…僕の愛しい人」
魔姫「あらご機嫌よう、相変わらず反吐の出る面ねぇ」
魔姫は上空で翼を広げ、王子を見下ろしていた。
王子「その傲慢さもまた愛しい…今日こそは僕のものになってもらうよ」
魔姫「猫はどこ」
魔姫は王子の言葉を無視して言った。
王子はやれやれ、といった様子でため息をつく。
王子「こちらで預かっているよ」
魔姫「返しなさい。じゃないと…」
魔法を放つ。狙いは、城の屋根――
屋根は爆発と共に、粉々に粉砕された。
魔姫「城全体をこうするわよ」
王子「おや、これは参ったね。さーて、どうしようか……」
――ドカアァァン
魔姫は無言でもう1発魔法を放ち、今度はバルコニーを破壊した。
王子「考える時間もくれないわけか。わかった、あの猫を返そう」
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