過去ログ - 魔姫「捕まえてごらんなさい、色男」
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81: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2015/11/02(月) 19:05:58.57 ID:U0JZS91/0
王子が兵を呼び、何か耳打ちする。
少しして兵士は、小さなゲージを持って戻ってきた。

魔姫「猫!!」

ゲージの中には、猫の姿の猫耳がいた。
何やらグッタリしていて、魔姫の呼びかけにも反応しない。

魔姫「あんた…猫に何したの!?」

王子「ちょっと痛めつけただけだよ。殺してはいない。…あ、でもこのまま放置したら、どうかわからないけどね」

魔姫(…王子の奴は私刑決定だわ)

ゲージから猫耳が出され、床に置かれる。

王子「さ、取りにおいで」

魔姫「あんたはここから消えて」

猫耳を拾いに行った時に何かを仕掛けられるのは目に見えている。
しかし、王子は涼しい笑みを浮かべたままだ。

王子「そうはいかないね、魔姫様が何をしでかすかわかったもんじゃない。…ま、取りに来ないのなら、それでいいけど」

魔姫(くっ)

猫耳は王子の側にいる。もし自分が下手なことをすれば、猫耳に危害を加えられるかもしれない。
行くしかない――王子の間合いに入るとわかっていても。

魔姫(上等…返り討ちだわ)

決心し、魔姫はベランダへ降り立った。
一歩、もう一歩、王子との距離が近づく。

あとわずか、絶対に警戒を解かないで――

――ガキィン

王子「おやおや魔姫様、大した勘だね」

魔姫「バレバレなのよ、バカの思考回路は」

魔姫は硬い宝石のブローチで、王子の剣を受け止めていた。




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