過去ログ - 【艦これ】「私は今日も待っている」
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11:名無しNIPPER[saga]
2015/10/31(土) 23:33:09.64 ID:sfUnMhAio
悩める私に話しかける可愛らしい声。

『ええ。ごめんなさいね。少し……考え事をしていたの』

私も英語で返す。ここは日本で、私達も日本国籍なのに、英語と言うのは少しおかしい気もしないでもないが、気にはしない。大戦争中でもあるまいし、この子とは、この言語で話したい。
以下略



12:名無しNIPPER[saga]
2015/11/01(日) 01:37:16.19 ID:78H0hnu1o
そうして、彼女は私の名を呼んだ。戦艦三笠。それが私の名だ。かつて連合艦隊旗艦を任され、あの方――――東郷平八郎が乗った艦として世間には知られ、今は記念艦としてこの三笠公園に“体”が保存されている。

『ええ、久しぶりね。金剛』

私も彼女の名を呼ぶ。世界一硬い鉱物の和名を持つ、その名に相応しい、力強さ、輝きを持つ少女になったものだ……実は○○歳だが。
以下略



13:名無しNIPPER[saga]
2015/11/02(月) 20:15:05.18 ID:WyNYRjxco
少しして、今度は私が口を開く。

『……何をしにきたんだ?』

結局、私も牽制のように聞いてしまった。これでは私が見ていて悲しくなっていた人々と同じになってしまった。
以下略



14:名無しNIPPER[sage]
2015/11/03(火) 23:09:24.85 ID:qvusO1Oko
金剛型は最前線で活躍していると見回りの兵が喋っていたのを覚えていた。

そんな前線にいる艦が本当にそれだけでここに来るのか? 軍はそれを許したのか?

『念のために言っておきますと、特別な遠征の帰り……と言う建前です。議事堂で提督に代わり、直接長門が戦果報告を……と。その帰りについでに寄らせてもらいました』
以下略



15:名無しNIPPER[saga]
2015/11/04(水) 00:19:15.87 ID:dWV6/RuUo
私はそう言われハッとした。

自分でも散々言っていたではないか。“待っている”と。

待つと言う選択をしていたではないか。
以下略



16:名無しNIPPER[saga]
2015/11/04(水) 00:34:02.69 ID:dWV6/RuUo
「斬る!!」

「ちょっ、刀具現化なんてどうやったデース!? 艦娘なら艤装展開してくだサイ!?」

私はまだ艦娘にはなってないぞ、憑喪神のような存在ではあるだろが。
以下略



17:名無しNIPPER[saga]
2015/11/04(水) 00:46:59.45 ID:dWV6/RuUo
私はおかしくなり、大きな声で笑う。

こんなに笑うのは久々だ。涙まで出てきた。

私は今まで何を悩んでいたのだろう。
以下略



18:名無しNIPPER[sage]
2015/11/04(水) 00:55:18.05 ID:dWV6/RuUo
なごやかな、ぱっと明るい、素晴らしいものを私は待っている。

「また来マス」と、最後に少し片言の日本語でそう言いながら帰って言った。……そういえば、あの子の片言はいつになったら直るのだろう?

次に来たときには、その辺りについても追求してやろうかと考えながら、私は自身の体に帰る。
以下略



19:名無しNIPPER[sage]
2015/11/04(水) 00:56:40.98 ID:neRwQKkg0
期待


20:名無しNIPPER[saga]
2015/11/04(水) 00:58:07.00 ID:dWV6/RuUo
>>18訂正
『ああ、待つよ。私はいつまでも待つ。金剛、君達がこの海に平和を取り戻し、また笑顔を見せに来ることを』

そうだ、私が待っているのは戦争なんて、殺伐で、暗くて、愚かなものではない。

以下略



21:名無しNIPPER[saga]
2015/11/04(水) 01:01:50.17 ID:dWV6/RuUo
私はここで待っている。胸を躍らせて待っているのだ。この、何処までも広がる海と蒼穹を眺め、ウミネコ達の鳴き声を聞きながら、まだか、まだか、と一心に一心に待っているのだ。
だから――――私を置いていかないでくれ。

毎日、毎日、このベンチに座り、皆を待っていることしかできない私を笑わずに、どうか、笑顔で迎えに来て欲しい。会いに来て欲しい。

以下略



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