過去ログ - 【艦これ】「私は今日も待っている」
↓ 1- 覧 板 20 
7:名無しNIPPER[saga]
2015/10/29(木) 23:50:17.39 ID:Ryjud2+Fo
 誰かが、ひょいと私を呼びに現われたら。という期待と、現われたら困る、どうしようという恐怖。 
 しかし、現われた時には仕方が無い、その人に私を使わせよう、という決意。 
  
 私という存在が……今の何物でもない私という存在が、兵器か、人間であるか決まってしまう、あきらめに似た覚悟と、その他さまざまな空想などが、異様にからみ合い、息苦しくなり、体が震える。 
  
8:名無しNIPPER[saga]
2015/10/30(金) 19:27:31.50 ID:P9UkEcMPo
 ああ……私はいったい、何を待っているのだろう。 
  
 ひょっとしたら、私は大変弱い存在なのかも知れない。 
 過去の大戦で、あの方が乗っていたから、それだけで私は今も丁重にここに住まわせてもらっている。 
  
9:名無しNIPPER[sage]
2015/10/30(金) 19:58:00.44 ID:P9UkEcMPo
 私は、なにを待っているのだろう……? はっきりしたビジョンは何もない。ただ、もやもやしている。 
  
 けれども、私は待っている。彼女達との戦争が始まってから、毎日、毎日、散歩の後に、この青いベンチに腰をかけて、待っている。 
  
 そして、今、この子が、ひとり、笑って私に声を掛けた。 
10:名無しNIPPER[saga]
2015/10/31(土) 21:55:58.07 ID:sfUnMhAio
 姉様方? ちがう。 
  
 この子? ちがいます。 
  
 友人? ……ああ、怖い。 
11:名無しNIPPER[saga]
2015/10/31(土) 23:33:09.64 ID:sfUnMhAio
 悩める私に話しかける可愛らしい声。 
  
 『ええ。ごめんなさいね。少し……考え事をしていたの』 
  
 私も英語で返す。ここは日本で、私達も日本国籍なのに、英語と言うのは少しおかしい気もしないでもないが、気にはしない。大戦争中でもあるまいし、この子とは、この言語で話したい。 
12:名無しNIPPER[saga]
2015/11/01(日) 01:37:16.19 ID:78H0hnu1o
 そうして、彼女は私の名を呼んだ。戦艦三笠。それが私の名だ。かつて連合艦隊旗艦を任され、あの方――――東郷平八郎が乗った艦として世間には知られ、今は記念艦としてこの三笠公園に“体”が保存されている。 
  
 『ええ、久しぶりね。金剛』 
  
 私も彼女の名を呼ぶ。世界一硬い鉱物の和名を持つ、その名に相応しい、力強さ、輝きを持つ少女になったものだ……実は○○歳だが。 
13:名無しNIPPER[saga]
2015/11/02(月) 20:15:05.18 ID:WyNYRjxco
 少しして、今度は私が口を開く。 
  
 『……何をしにきたんだ?』 
  
 結局、私も牽制のように聞いてしまった。これでは私が見ていて悲しくなっていた人々と同じになってしまった。 
14:名無しNIPPER[sage]
2015/11/03(火) 23:09:24.85 ID:qvusO1Oko
 金剛型は最前線で活躍していると見回りの兵が喋っていたのを覚えていた。 
  
 そんな前線にいる艦が本当にそれだけでここに来るのか? 軍はそれを許したのか? 
  
 『念のために言っておきますと、特別な遠征の帰り……と言う建前です。議事堂で提督に代わり、直接長門が戦果報告を……と。その帰りについでに寄らせてもらいました』 
15:名無しNIPPER[saga]
2015/11/04(水) 00:19:15.87 ID:dWV6/RuUo
 私はそう言われハッとした。 
  
 自分でも散々言っていたではないか。“待っている”と。 
  
 待つと言う選択をしていたではないか。 
16:名無しNIPPER[saga]
2015/11/04(水) 00:34:02.69 ID:dWV6/RuUo
 「斬る!!」 
  
 「ちょっ、刀具現化なんてどうやったデース!? 艦娘なら艤装展開してくだサイ!?」 
  
 私はまだ艦娘にはなってないぞ、憑喪神のような存在ではあるだろが。 
34Res/18.84 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 
板[3] 1-[1] l20 
	このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
	もう書き込みできません。