過去ログ - 沙紀「ひとかけらの微熱を乗せて」
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18: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2015/10/31(土) 19:32:37.76 ID:8QRzfjZl0

静かだ。
耳をすませば呼吸も、もしくは心臓の音まで聞こえるんじゃないかっておもうほどの静寂。

まるでここだけ時間が止まっているみたいだ。

「時間が止まってるみたい」

「……まったく同じこと考えてた」

「やっぱりアタシとプロデューサーは相性いいっすね。へへっ」

手の甲で感じている彼女の体温が少しだけあがったように感じた。
いや、熱を帯びているのは俺の方なのかもしれない。

なんとなく気恥ずかしくておもわずコーヒーに手を伸ばすも、いつの間にか中身は空っぽになっていて、なんとも間抜けな格好になってしまった。
それを元に戻して一度も口を付けていない水をぐいっと半分くらい流し込む。
すっかり氷も溶けてしまっていたけど、キンキンに冷えた水が落ち着かない心を冷静にしてくれた。



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