過去ログ - 速水厚志「ハッピーエンドを取り戻す」
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16:名無しNIPPER[saga]
2015/10/31(土) 21:13:31.91 ID:08xPns3X0


「邪魔だぁ!」

若宮が咆哮と共に、サブアームに抱えた二本の12、7ミリ機銃を掃射する。
木立の中に潜んだ小型幻獣らが体液を噴いて倒れていく。

片付けたか?

そう思った瞬間には、また四足が山中を分け入る音がする。
小型レーザーを吐く犬のような幻獣、コボルトと、硬い甲羅を持つ二首の亀のようなバジリスクだ。
特にバジリスクは強酸を撒き散らすため、接近させると厄介な相手である。しかも亀のようと言っても動きが遅いわけではない。
コボルト共々、蜘蛛がごとくしゃかしゃかと地面を這ってくる。

「突破する」

来栖がぼそりと呟いた。
そして返答も聞かず走り出す。四方八方から飛来するレーザー、強酸を紙一重にかわし、走り抜けていく。

「また無茶を……!」

言いながら、若宮も走り機銃を振り回した。
そこかしこから幻獣の体液が散る。

実のところ、起爆装置を持った敵の位置に目星はついていた。
戦場を見渡せ、安全に隠れられる場所はそう多くない。さらにこれまでの敵の潜んでいた位置から、パターンを推測し絞り込めた。

だが敵もそれを察してか、大量の小型幻獣に守らせていたのだ。
逆に言えば、読みは当たったこととなる。

「! だめ……危ない、わ……」

急に石津からの通信が入った。今は指揮者に残っているはず。
来栖らの状況は見えていない。
が、来栖はその声に従い走るのをやめ、後方に飛び退いた。

その、たった今立っていた地面に、鋭く太い針が突き刺さった。
繊維状の身体を自由に伸縮させるストリングスライムが、木の陰に張り付いていたのだ。

すかさずカトラスを抜き、木ごと切り裂く。

「小型幻獣のトラップか……!」

若宮が息を呑んだ。

これを警戒して進めば、また時間を食われる。

「くそっ!」




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