過去ログ - 速水厚志「ハッピーエンドを取り戻す」
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23:名無しNIPPER[saga]
2015/10/31(土) 21:18:48.45 ID:08xPns3X0

「滝川! このままじゃ回り込まれるぞ!」

「あっちゃん、まいちゃんも囲まれそうだよ。早く逃げて」

茜とののみが懸命に伝えるが、逃げ場などない。

ここまでなのか?

違う。否、否だ。

屈辱的な自問に、断じて否と首を振る。
逃げるために、死ぬためにここに来たのではない。我らは、そう。
戦うために、やって来たのだ。

「敵に飛び込め、格闘戦をやるぞ」

弾数も消費しない。接近して混戦になれば生体ミサイルの一斉射も使えまい。

「分かった。行くよ」

大きくGがかかり、ぐるんと機体がUターンする。
そして一気に敵の懐へ跳躍しようと、した瞬間、通信機に割り込む声が。

「それは待った方がいいね」

おっとりした、優しげな少年の声。
なんだと問うより先に、展開していた敵集団の一翼が爆発四散した。

「あれは……」

山陰から姿を現したのは、士魂号よりもヒロイックなフォルムの人型の巨人。
人型戦車、栄光号だった。

緑と白に塗装された栄光号は、その肩に装備された砲を連射する。
グレネード弾は幻獣の群れの中へと吸い込まれていき、次々と爆発した。
三番機を囲もうとしていた敵の陣形が大きく崩れる。

「こちらが援護する。今のうちに弾薬の補給を」

「助かった。感謝する」

名も聞かぬままそれだけ伝え、素早く後退した。
どうやら滝川の方にも増援があったようで、無線に半泣き大声で感謝の言葉が繰り返されたかと思うと、一目散に二番機が駆け戻ってきた。




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