過去ログ - 速水厚志「ハッピーエンドを取り戻す」
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4:名無しNIPPER[saga]
2015/10/31(土) 20:58:11.87 ID:08xPns3X0


九月十四日 午前三時 菅生集落


深夜。敵がいつ襲来するか知れぬ恐怖に、皆眠れずにいた。
先の浸透攻撃で、岩田、中村が重傷。壬生屋も一番機で敵の自爆攻撃を受け、意識不明。
自衛軍はワシントンからの圧力で動けず、海兵は撤退。
戦えるのは、厚志、舞の三番機、滝川の二番機、来栖、若宮、そして元学兵だった者ら。
誰も眠れぬまま、それぞれの夜を過ごしていた。

その闇夜に独特の風切り音が鳴った。
青スキュラの大群が5121の陣地に向かってくる。

一体が校庭に着地し、降り立ったエメラルド色の瞳の少女、カーミラが、士魂号三番機の前で厚志、舞と向かい合った。

「お察しの通りよ。反撃は見事に失敗。ミノタウロスもゴルゴーンも、地上の戦力は、全て消滅した。空に浮かぶ青スキュラだけが生き残った」

カーミラの表情からは覇気と自信が消え去り、別人のように憔悴している。

「そうか」

舞は静かに言う。

「明日が、最後になるな」

「……そうね」

カーミラも、舞も、まるでらしくない顔だ。
絶望と悲しみに呑まれかけている。

「嫌だ」

厚志は気がつくと、そう口走っていた。

「厚志……?」

唐突な、いつものぽややんではない強い口調に、舞が不思議そうに見る。




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