過去ログ - 白坂小梅「あの子を……探してるんです」九十九一希「と、片目を隠した少女は言った」
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37:名無しNIPPER[saga]
2015/11/12(木) 19:13:06.79 ID:nmKq4XR30

小梅「あ、ごめんなさい……」

一希「いや……もっと聞きたい。そうだな、お菓子を食べたら……話しながら探そうか。いいか?」

小梅「え……う、うん。喜んで……! そう、だよね。怖い話をすると……霊が集まってくるって言うもんね……」

一希「ああ。きっと話しながら探した方がいい。――じゃあ、買ってくる」

小梅「こ、混んでるから、気をつけて……」

一希「ああ……気合いを入れていく」


一希(自分の得意分野の話をして、少しは笑顔が戻ったか……)


一希(それぞれの世界観で人は生きている――)

一希(その見えているものを伝えるために……おれは本を書いたはずだ)

一希(感じたこと、考えたことを伝えるために)

一希(でも自分の発信は匿名だった。……読者が思い浮かべる作者は父……そこにおれはいない。暗闇の中でボールを投げていた……)



一希(だから、この少女を放っておけなかったのか)


一希(存在しないとされるものために、ここまで必死になれる人がいることが――うれしかった、のか)





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