17:名無しNIPPER[saga]
2015/10/31(土) 23:08:28.69 ID:m9aJzdw+0
千早は会話が得意ではなかった。
彼女は内向的であるのみならず、人が興味を持つ物事の大半を不必要だと切り捨ててきた。そのため、歌以外に話すことのできる話題を持たなかったのだ。
したがって以前の彼女なら、これ以上話を続けることもなく、同僚と親交を深める機会さえも切り捨て、あずさに道を教えて別れを告げていたかもしれない。
千早「その、あずささん……」
あずさ「あら、どうしたの千早ちゃん?」
しかし、今の千早には、リボンを付けた少女に強引に連れて行かれたカラオケの記憶があった。
あの時、レッスンとステージ以外で歌う必要はないと思っていた千早は、最初は乗り気でなかったものの、少女の策略で最終的に誰よりも歌い、悔しがり、笑う結果になった。(ちなみにその策略とは、千早が歌うときに自分のマイクにも電源を入れ雑音を混ぜることで、点数を意図的に低くするというものだった。当然千早はそれを知らない。)
知らない所へ行くのは楽しい――その経験は、三浦あずさにもその楽しさを与えたいという思いになって、千早を動かした。
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