過去ログ - 未央「安価で他のアイドルに告白する!」
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304:名無しNIPPER[saga]
2015/11/06(金) 20:40:55.53 ID:iJKIgCdk0
あたしの手のひらに通った智絵里ちゃんの人差し指は、手のひらサイズの四つ葉のクローバーを描き出した。
ふんわりと、花のような香りがする彼女の髪が揺れると……智絵里ちゃんはあたしに向かって、その女の子らしい柔和な笑みを浮かべた。

智絵里「その……気休めみたいなものかもしれないですけど……」

彼女はあたしの手から指を放すと、改めてステージの方へと向き直った。その視線は、はっきりと――照明が照らし出す舞台へと向けられている。
ぶれることのないまっすぐなその瞳には、もう迷いは浮かんではいなかった。


智絵里「私……シンデレラプロジェクトで活動していくうちに分かったんです。びくびくして、尻込みしてるだけじゃ駄目なんだって……。」

智絵里「だから私……頑張ってみたいんです。雑誌の中で奈緒さんを見て、あのステージできらきら輝く奈緒さんに憧れて……」

智絵里「その憧れの人と一緒にステージに立つのは……やっぱりちょっと緊張するし、怖いけど……でも、すごく、楽しみでもあるんです」

奈緒「智絵里ちゃん……」


……手のひらかかれた四つ葉のクローバーを、一息に飲み込む。

奈緒「……ふふ」

なぜだろう。おまじないだと分かっていても……智絵里ちゃんが書いてくれたクローバーだと思うと、すっと胸の動揺が収まっていく気がする。



――すぅ、はぁ。と一つ深呼吸。

試しに胸に手を当ててみると、もうさっきみたいな乱れた鼓動はなくなっていた。


奈緒「……ごめんね、もう……大丈夫」


奈緒「……行こうか!」


隣の二人の手を握りしめ、ステージへの階段を一歩ずつ上っていく。

大丈夫。今ならいける。そう強い確信が心にこもり、今なら――何でもできる気すらしてくる。







「こんにちは! シャイニングゴッドチェリーです!」





即席のライトで照らされるステージの中、私たちは精一杯、歌い、踊った。


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