過去ログ - 【安価】七つの家で聖杯戦争RETRY【募集系】2 -SS速報VIP

過去ログ - 【安価】七つの家で聖杯戦争RETRY【募集系】2

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976: ◆BX96/KwFHU[saga]
2016/06/10(金) 21:29:35.81 ID:oQx55Isjo

　「付き合ってはいませんが……お慕いしてます」

包み隠さず、本当のことを話した。俺とトウカさんは、まだそんな関係にない。
だけど俺がトウカさんを思う気持ちがここにあるのは確実だ。

それを聞くと、スーツの男はほんのりと口角を上げた。笑っている？

　「……なるほど……そうか、そうか」

何かを納得したように頷く男の様子は、俺には少し奇妙に見えた。
男の心の中では、一体どんな疑問が浮かんでいて、それがどんな風に解決されたのだろう？

　「そういうことなら、頑張ってくれ。君が彼女を思うことは自由だし、彼女が君を選ぶかは彼女の自由だ。
　我々ができることは、それを見守ることくらいだからね。あとは、まあ、ちょっかいをかけようとする輩を取り除くくらいか。
　……ただし、あまり甘い覚悟ではやらないほうがいいな。彼女はきっと、手強いから」

釘を刺すように付け足されたその言葉。
なんとなく分かる気がする。何しろ彼女は美人だし、凛としていて素敵だ。
彼女を求める人は数多くいるだろうし、それに従って彼女の目も肥えていることだろう。

　「……やっぱり、トウカさんの理想は高いんでしょうか。僕なんかじゃ、到底満たしようもないほど……」

　「いや」

男の口角が大きく持ち上がった。
今度は確実に笑っている。

　「歯に物が挟まったような物言いでは気持ちが伝わらないという意味で、だ。
　　思いを伝えたいなら、それなりにストレートに切り込んだ方がいい。
　　トウカ君は、そのへん、鈍いからね……」

　「……」

　ああ、そういう意味で……。

　「さて、聞きたいことは聞けたわけだし、そろそろ我々はお暇しようか」

そう言ってスーツの男は立ち上がり、大男の肩に手を掛ける。
しかし大男は動こうとしない。

　「……虎太郎？」

大男の目は据わっていた。
彼は名前通り虎のような鋭い目で俺を射貫く。気圧されて、俺は心なしか後ろに下がっていた。

　「いんや、俺の話はまだ終わっちゃいねえ。
　こいつがトウカのことを好いていたとしてだ、家族が知らなきゃならねえことは、それっぽっちじゃねえだろう。
　こいつの思いがどれほどのものなのか、試してやる必要がある、そうだろう！」

　「！？」

な、なんか話が妙な方向に……！？

　「いや……ないよ」

スーツの男の方が制そうとするが、大男はそれを振り払って立ち上がり、俺の方に一歩近づく。

　「お前が奴にかける思いがどれほどのもんか、確かめてやる。ちょっとついてこい」

そして、俺の体に手をかけて、大男は俺をひょいと持ち上げた。
俺は何が起こっているのかも分からないまま、だらりと手元からぶら下がる。
えっ、いや、え？　本当に、何、この展開？

　「……虎太郎」

スーツの男が、たしなめるように口を開く。
地獄に仏とはこのことか！　は、早く助けて！

　「ほどほどにしておきたまえよ」

　「応」

……どうやら、地獄では仏といえどもスパルタらしい。
暴れようかとも思ったが、下手な抵抗は状況をより悪化させかねないだろう。
俺は為す術もないままに、男の手によって運ばれていく――――。

【判定】
行き先
123　？？？
456　山奥
789　道場的な場所

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