過去ログ - 凛「何の音……?」卯月「何でしょうか……」
1- 20
13:うづりんssbot[saga sage]
2015/11/03(火) 18:28:04.11 ID:Xuw8AU8u0
部屋から出ると、肌寒かった。一つ目の検査は30分程で終わった。
体を動かさないように固定されて、うつ伏せになった。
その後、鉄工所みたいにうるさくて狭い装置の中に入れられた。
ずっと体を動かさないというのはそこまで苦痛ではなかった。
そのあと、二つ三つ別の検査をして、全てが終わった頃には、太陽が傾きかけていた。

「……はあ」

病室に戻って、ベッドの番をするのが嫌で、検査後は安静にと言われていたが、病院の屋上に来ていた。
日中に体を動かさないというのがこんなにしんどいことだったなんて。
母親に言われて検査を承諾したけれど、正直大げさだったと思う。
検査結果は問題ないということで落着きそうだ。
退院しても良かったのだけど、母親から一日休んでおきなさいと言われたのでその通りにしている。

「さむ……」

今頃、卯月達は今日私がやるべきだったラジオに出たり、取材に協力しているのだろう。
申し訳ないと思う。
自己管理ができていない、とみくなら怒るだろうか。
そういえば、どのビルだろ。
車のクラクションの音。
雑踏を上から見下ろすのは嫌いではない。
方角はこっちかな。
卯月は、あの辺かな。
それともこっちかな。
夜に、卯月が来てくれるんだっけ。
一人が寂しいというわけではないけど、喋る相手がいないのはそれなりに退屈する。
病院って、退屈をお金で買う所なんだと思う。
風邪を引いてしまわないように、体をさすりながら私は屋上を後にした。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
49Res/25.11 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice