5:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/07(土) 01:54:05.45 ID:Q8kB+RM90
「……ンァ…」
……よく寝た。いや…というよりこの感じは…寝すぎたか。
普段から昼夜逆転の生活を送っていた俺もこの生活に入ってから大分、いや異常なほど健康的な暮らしを強いられていたが、久しぶりに大寝坊を満喫した。
あァ。そォか。
「……というわけで今夜は桔梗も私も帰らないじゃんよ?戸締りをちゃんとして、早く寝て、早起きして自分たちで飯を作るじゃん!」
だっけか。
チッ…。なんでそこまで自分の生活を縛られなきゃいけないんだ。起き抜けにイラつくことにも慣れたものだ。
まあ今のこの状態で不便を被っているわけでもない。帰る場所なんてなくたって生きていけるが、ご丁寧にもそれを提供して頂いている訳だ。
ここは一つ大人になって言うことを真面目に聞いてやるのもまあマナァって奴なんだろう。
仕方なく起き上がってやろうかと身体を起こそうとすると、抵抗の実測値が計算結果と合わない。負荷がかかっている部分を確認すると、小さな頭が乗っかっていた。
「……むにゃむにゃ…アナタがこのケーキ作ったのー……?…ってミサカは…溢れ出す欲望に身を任せて…みたり……」
にへら、と笑うその口の端から唾液がだだ漏れな同居人をそっと胸の上から下ろし、毛布を掛けてやる。風邪なんかひかれた日には面倒に目も当てられたものじゃない。
「……今日の朝食はスクランブルエッグだバァーカ」
同居人がオレに買ってきたまま着ていなかった、赤みがかった白い生地に耳の長い小動物のイラストが描かれている「家庭科の授業じゃん!」のエプロンを身につけながら、台所に向かう。
昔と比べて心なしか世界が明るくなっているような気がするのはきっとオレの気のせいである。
まったくおめでたい頭になっちまったものだ。
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