過去ログ - 贖罪の物語 -見滝原に漂う業だらけ-
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14:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/03(火) 23:20:21.63 ID:heb+2RdAP


 西暦某年、某月某日某時。


 インキュベーターは、初めて別の存在と対等な立場での対話に応じた。

 惜しむらくはその相手が、『元』人間だということだが。



QB「素晴らしいよ、ほむら。ソウルジェムを形成した魔法少女の魂を、再び人間の肉体に戻せるなんて。
   この実験がもっと早くに成功していれば、僕たちと人類の関係はもっと有意義なものになっていただろう」



 インキュベーターは諸手を挙げて賛美する。

 ともすれば幾星霜にも渡って積み上げてきた努力と奉仕の成果を一蹴するようなその偉大なる一歩を。

 神の如く傲慢な悪魔の所業を。

 盲目的に、妄信的に賛美する。



ほむら「使ったダークオーブはあくまで試供品(レプリカ)、効果は一時的でしょう」


ほむら「でも、私にはその一時で十分。これでまどかの正体を知るものは、私以外存在しなくなった」



 鬱屈した視線を、白い奉仕種族へと移す。

 幾万対もの紅い瞳が、一斉に悪魔に跪いた。



ほむら「あなた達こそ、約束をちゃんと守る気はあるの?」


QB「もちろんだよ。元より僕たちに逆らうことなどできないけれどね」


QB「君のダークオーブが生み出すエネルギーの総量は、僕たちのエネルギーの回収ノルマを遥かに上回るものだ。
   それが回収できれば、僕たちは人類に干渉する理由がない。
   君の良きに計らうよ。多分太陽系が存在している間は、会うこともなくなるんじゃないかな」


ほむら「そう・・・。でも念のためもう少し入念に話し合いましょう。

    あなた達がこの星を放棄した瞬間、人類は退廃の道へ突き進んだ・・・なんてことになったら堪らないわ」


QB「本当に、残念だなぁ・・・」



 一匹のインキュベーターが、悪魔との直接の対話を許される代表者たる個体が。

 名残惜しそうな声でこう訴えた。



QB「希望も絶望を超越した真なる魔法少女システムが、完成と同時にお役御免だなんてね。実にもったいないよ」



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