過去ログ - 贖罪の物語 -見滝原に漂う業だらけ-
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157:名無しNIPPER[saga]
2016/01/31(日) 16:03:42.55 ID:2DS7LchxP

華々莉「それじゃあ椿がひとりぼっちだよね。

     椿は一緒に戦ってくれる友達は欲しくないの?」



 明らかに落ち込んだ様子の茉莉をフォローするように、華々莉は問いかける。

 生まれつき盲目の妹は、どんなに過酷な条件だろうと魔法少女になりたがるであろうことを、華々莉は知っていた。



椿「大丈夫ですよ、華々莉。私にはこの子がいますから」



 椿は隣に座っていた銀髪の少女の髪を撫でた。

 銀髪の少女は少し驚いたような表情をした後、ふにゃりと蕩けたように笑う。


 少女の名は鈴音。

 椿以外に身寄りのない孤独な少女。

 彼女こそ椿の魔法少女の誇りであり、生きる意味だった。


 そんな鈴音の様子を見たとき、僅かに華々莉の心が騒めいた。


 未だに魔法少女に未練がありそうな茉莉の様子を認めると。

 椿は少し、卑怯な言い方をした。



椿「約束してね。華々莉、茉莉。私のことを好きでいてくれるなら、魔法少女にはならないで」



 華々莉は、割って入る隙などなさそうな椿と鈴音の様子をしばし眺めた後、小さくため息をついた。



華々莉(悔しいな、私じゃ駄目だったんだ・・・)


華々莉「じゃあ・・・、私たちが魔法少女にならなくても、椿は私たちの友達でいてくれるよね?」



 椿は穏やかに、安心したように。

 柔らかな表情で笑った。



椿「もちろんです」



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