過去ログ - 贖罪の物語 -見滝原に漂う業だらけ-
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164:名無しNIPPER[saga]
2016/01/31(日) 16:14:22.81 ID:2DS7LchxP

カガリ「あっはぁ、派手にやってるなぁ沙々ちゃん。

     あんなにいっぱい魔獣をあげたんだから、一人くらいは壊して欲しいよね」



 彼岸花の咲き乱れ、金属的な光沢の羽の蝶が飛び交う、暗い部屋にて。

 カガリは豪奢な椅子に脚を組んで座り、頬杖をついて球体状に浮かんだ映像を眺めていた。


 シイラはカガリにかく言った。


 『私たち悪魔は、とにかく魔法少女と戦っちゃダメだ』


 『もっと言うなら魔法少女に悪魔を倒す《正義》を与えちゃダメだ』


 『百戦百勝は、善の善なる者に非るなり。戦わずして人の兵を屈するは、善の善なる者なり。

  非戦こそが悪魔のやり方だよ。ワルモノにされて、やっつけられてハッピーエンドなんて嫌でしょ?』


 シイラは把握していた。

 正義のために戦えない魔法少女がいかに脆いのかを。

 そして心の強さが魔力の強さに直結する魔法少女という生き物に『強い意志』を与えたとき、

 どれだけの脅威になるのかを知っていた。


 だから彼女は、カガリにこう言い聞かせたのだ。

 「どうしても相手を殺したいのなら、自らの過ちによる自滅を狙え」と。



カガリ「これなら私は悪くないよね、シイラさん。

     沙々ちゃんみたいな子に恨まれてる魔法少女のじごーじとくだもんね」



 かなり恣意的に内容を曲解してはいたが、カガリはそれでも一応シイラの言いつけを守っていた。


 なるほど、これは暗殺よりもずっと気分がいい。

 高みの見物は蜜の味。

 安全圏から殺し合いを眺めるのはなかなかに甘美なものだった。



カガリ「楽しみだな、マツリはどんな顔で死ぬんだろう」



 カガリはまるで少女貴族にでもなったかのように、手を組んでゆったりと背もたれに身を預ける。

 真っ赤な装飾の施された椅子には、ハリセンボンのような紋章が刻まれていた。



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