過去ログ - 贖罪の物語 -見滝原に漂う業だらけ-
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3:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/03(火) 22:57:50.63 ID:heb+2RdAP



 ギロチンで切り落とされたような、綺麗に割れた半月の夜だった。
 妄想の帳と真実の世界の狭間の丘。
 ここに相対するは、1人の悪魔と4人の魔法少女。


さやか「残念だよね、ほむら。私たち、もしかしたら友達になれるかもしれなかったのに」

ほむら「ええ本当に残念。こんなところ、あの子が見たらどれだけ悲しむのかしら」

 さやかの他の3人の表情も、堅く、暗い。
 4人の円環の使徒達は、この悪魔を磔刑にせんとしている事は明らかだった。

ほむら「でもこの仕打ちはあんまりじゃないかしら。
     あなたと友達になったつもりは無いけれど、それでもあなた達・・・。
     特に杏子には随分割りのいい世界を用意したはずなのだけれど。
     なんで私たちが殺し合わなきゃいけないのか聞かせてもらってもいい?」

さやか「・・・一ヶ月くらい前から、見滝原に全く魔獣が沸かなくなった」

ほむら「いいことじゃない。いえ、あなたたちにとっては悪いことなのかしら」

さやか「魔獣の役目は、私たち魔法少女がいずれ振りまく呪いを肩代わりすること」

ほむら「そうね、魔法少女とはなんとも業が深い存在ね」

さやか「希望と絶望は差し引きゼロ、この法則はそう簡単に崩せるものじゃない。
     そうじゃなきゃ、希望と絶望のどっちかが際限なく増え続けて、世界が溢れ返っちゃう。
     魔獣が沸かないってことは・・・別の形で呪いが現れるということ・・・」

ほむら「小狡い魔法少女が魔獣を独占しているだけじゃない? 何もかも悪魔のせいにするのは人間の悪い癖よ。
     こんなことしている暇があったら帰って受験勉強でもしたら?」

さやか「それともう1つ、私たちのソウルジェムが全然濁らなくなった。
     気分が沈んだときに光が少なくなることはあるけど、気分が上向きになれば自然と回復する」

ほむら「・・・」

さやか「魔獣が沸かず、魔獣を狩るために戦う必要もない。まるで魔法少女の役目を奪っているような現象よね」


 4人の魔法少女はすでに真相にかなり近いところまで辿りついていた。


さやか「正直に答えてよ、ほむら。あんたの目的は・・・」




さやか「まどかを解任(リコール)することだろ」




 最も、残念ながら、辿り着いた真相は『半分だけ』だったが。



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