過去ログ - 贖罪の物語 -見滝原に漂う業だらけ-
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40:名無しNIPPER[saga]
2015/11/21(土) 22:28:17.46 ID:02MC1cTgP

 玄関で靴紐を結ぶカオルをニコが見送りに来ていた。

 明らかに長期旅行を思わせるの荷物の量で、2〜3日で帰れる旅ではないことがわかる。



ニコ「本当に一人でいくの?」


カオル「まーね、あの様子のミチルを一人きりにしておくわけにもいかないだろ。

     それにただでさえミチルが戦えなくて大変なのに、

     あすなろ市を守る魔法少女をこれ以上減らすわけにはいかない」



 あの日からずっと、ミチルはベッドの上で蹲っていた。

 食事もほとんど受け付けず、時折何かを思い出したように泣いて、

 他の魔法少女が介抱に来る度にぎこちない笑顔で「迷惑かけちゃって、ごめんね」と何度も謝る。

 魔法を使っていないはずなのに、ソウルジェムの濁りも早い。



カオル「絶対に放っておけないよ。

     あいつは近い内に復讐しに来るかもしれないし、なによりミチルがああなった秘密を知っている。

     とっ捕まえて、洗いざらい全部吐かせてやる」



 カオルの決意は固いようだ。

 たった一人で恐るべき敵を追う旅に出るというのに、躊躇いは少しも感じられない。



ニコ「・・・わかった、じゃせめてこれ持っていって」


カオル「これは?」



 ニコはカオルに『ある物』を手渡した。

 片手に収まるサイズの『ある物』だ。



ニコ「ミチルの『秘密』とやらが何なのかはわからないけれど、

    あいつが今回の事件を起こした『動機』はなんとなく想像がつく。

    もし私が思っている通りなら、これが役に立つかもしれない」



 ニコはニヘラと笑う。

 こちらもこちらで、これからの戦いになんの不安もないようだ。



 それはそうだ。

 彼女たちが改編前の世界で戦ってきた惨劇は、こんなものでは済まなかったのだから。



カオル「おう、ありがとう! じゃー行ってくるよ!」



 あすなろ市から見滝原へ、茜色の魔法少女が出陣する。



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