過去ログ - 贖罪の物語 -見滝原に漂う業だらけ-
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415:名無しNIPPER[saga]
2016/08/08(月) 23:59:18.50 ID:R7HNRDEQP

 さやかは腕を組んで、しばし考えに耽る。

 仁美は気づけば手のひらに爪が食い込むほどに、強く拳を握っていた。


 ふと、さやかが口を開く。

 難題を提示するスフィンクスのような、哲学的な光を湛えながら。



さやか「仁美。『願いが叶ったせいで後悔する』のと『願いが叶わなかったせいで後悔する』の、どっちがいい?」


仁美「そ、それは・・・」



 一瞬怯んだ様子の仁美だったが、すぐさま再び厳しい顔つきに戻る。



仁美「そんなのどっちも嫌です!」


さやか「だよね、私も嫌だわ。じゃあ質問を変えてみよう」



 次の瞬間。

 仁美の頬から零れ落ちた涙が、虹色の輝きを放って宙に溶けた。

 さやかの左手には、不完全なメフィストフェレスの戒めを破り、海のように澄んだ青い色を放つソウルジェムがあった。



仁美「これは・・・?」


さやか「『願いが叶って満足する』のと『願いが叶わなくても満足する』のはどっちがいいかな?」


仁美「・・・」



 呆気にとられる仁美を見つめ、さやかは悪戯っぽく笑った。



さやか「あたしは断然、叶って満足する方がいいな」




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